認知症の主な障害は認知機能障害です。その代表的な症状に「記憶障害」がありま。人によっては、「失語」「失行」「失認」などの症状が併せて現れます。また、認知機能の障害以外に「周辺症状」といわれるものがあります。精神的な不安定状態が、うつ状態、幻覚、妄想などの症状として現れたり、徘徊や失禁などの問題行動となって現れたりします。
■記憶障害
いわゆる記憶力の低下です。加齢によってももの忘れは起こりますが、「もう年だから」と安易に判断するのは危険です。加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れには明らかな違いがあります。
■失語
言葉を正確に操れなくなる状態です。正しい発音ができなかったり、相手の言葉で理解できなかったりします。読み書きができなくなる人もいます。
■失行
動作が困難になる状態です。それまで難なくやっていたことができなくなります。人に何か指示されたり頼まれたりしても、そのとおりに対応できません。
■失認
目の前にある物が何か認識できなかったり、駅から家までの道順がわからなくなって迷子になったりします。色が見分けられなくなるケースもあります。
●加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違い
*加齢によるもの忘れ
・生活で体験した一部を忘れる
・もの忘れを自覚している
・忘れたことに対して自力で解決できる
・問題なく日常生活を送れる
・症状はほぼ同じレベルである
*認和症によるもの忘れ
・生活で体験したすべてを忘れる
・もの忘れを自覚していない
・忘れたことに対して自力で解決できない
・日常生活に支障をきたす
・症状が進行して次第にひどくなる
●認知症危険度チェック
次の7つの質問に答え、当てはまる項日をチェックしてください。
・孫や姪、甥など近親者の名前を混同する
・朝話したことを夕方まで覚えていない
・日にちや曜日だけでなく、月を間違える
・大切なものを保管した場所を忘れて、探し回るようになった
・待ち合わせの場所や日時を間違えるようになった
・電車やパスに乗るのを避けるようになった
・人つきあいが急に滅って出かけるのを嫌がるようになった
|