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生活習慣病などを引き起こす要因として健康関連の話題にたびたび登場する「活性酸素」。
この物質についてはまだ研究途上で、専門家の間でも諸説あるのが現状のようです。ここではその実体を見ていきましょう。



●抗酸化物質を取り入れて活性酸素を撃退しよう

本来人間の体には活性酸素を抑え込む力が備わっています。しかし、加齢によってその能力は低下し、40歳頃から細胞を守るSOD(スーパーオキシドジムスターゼ)やカタラーゼ、グルタチオンなどの抗酸化酵素の働きが衰え、撃退システムが機能しにくくなるといわれています。
抗酸化酵素の生成にはミネラルが欠かせません。また、これらの酵素はタンパク質でできているので、良質のタンパク質も摂るべきです。
抗酸化物質は体外から取り入れることもできます。活性酸素を無害化する力があるといわれるビタミンA(カロチン)・C・Eなどのほか、最近になって抗酸化成分として注目されてきたアントシアニン(赤ワインのポリフエノール)やカテキンなどは積極的に摂取したいものです。
ただし、食事からだけでは十分とはいえないので、サプリメントや栄養ドリンクなどで補給すると良いでしょう。


主な抗酸化物質・成分と含有食品

抗酸化物質 主な含有食品
ビタミンA(カロチン) ニンジン、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃ、モロヘイヤ、海苔、わかめ
ビタミンC トマト、キャベツ、ブロッコリー、パセリ、枝豆、イチゴ、キウイ、アセロラ
ビタミンE サバ、タラコ、アーモンド、アボガド、植物油
アントシアニン(赤ワインのポリフェノール) 赤ワイン
カテキン 緑茶
リコピン トマト、すいか
ゴマリグナン ごま、ごま油
ロズマリン酸 マーズマリー



●活性酸素の発生原因と生活習慣病との関係

活性酸素は、酸素が変身したものだと考えれば良いでしょう。酸素はいうまでもなく、私たちが生きていく上で欠かせないもの。体内で脂質や糖質を燃焼させてエネルギーを生み出す過程で起こる化学反応を効率良く行うために使われます。このとき消費酸素の一部が活性酸素に変わるのです。
このほか、タバコや食品添加物、紫外線やストレスなども活性酸素の発生要因だといわれています。
このように体内でのエネルギー代謝によって生まれる活性酸素の発生量をゼロにすることは不可能です。また、現在の生活環境を考えると、発生を防ぐのは容易ではありません。まずは生活習慣や環境を見直して、食生活に気をつけたり、ストレスをためないよう努力しましょう。




●活性酸素はどこまで解明されているか

2005年7月に、活性酸素は老化に関与していないという研究結果が発表され、従来の理論を覆す新説に、未来の老化抑制方法の開発へ関心と期待が高まっています。
このように、活性酸素に関しては、まだまだ研究の余地があり、通説が絶対だとはいえません。しかし、活性酸素が細胞や遺伝子に深く関わり、私たちの健康に影響を与えていることは間違いないのです。
「活性酸素」という文字面からは、活発に働く酸素=体に良いものという印象を受けがちです。しかし、その正体は、細胞を酸化させて正常な機能を奪い、ガンや動脈硬化、糖尿病などさまざまな病気を引き起こすと考えられている悪玉酸素なのです。
といっても、害を及ぼすだけの悪者ではありません。実は活性酸素は私たちにとって必要な物質でもあるのです。たとえば、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃して、私たちの体を守ってくれています。
問題は、活性酸素がピンポイント攻撃が苦手なこと。つまり、狙った獲物の周りにある正常な細胞まで痛めつけてしまうことがあるのです。




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