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電車の吊革を持ったときに肩に激痛が走った、肩が痛くて背中のファスナーに手が届かない・・・。
中高年が見舞われて、日常生活にも支障をきたすようになる四十肩、五十肩とはいったいどんなものなのでしょう。



●四十肩、五十肩の症状と対処法

四十肩、五十肩になると、荷物を持ち上げようとしたときや腕を後ろに振ったときなどに肩に激痛が走り、腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。肩の前側を押すと痛みを感じるのも特徴です。
ネクタイを結ぼうと首にかけたとき、洗濯物を干そうと腕を上げたとき、お風呂で背中を洗おうとしたときなどに腕が上がらなかったり、肩に痛みが走ったら赤信号なので、要注意です。
たしかに激しい痛みに襲われ、不自由な思いをしなければならない四十肩、五十肩ですが、通常半年から1年くらいで自然に治るといわれています。
しかし、気長に自然治癒を待ってなんかいられないという人は多いでしょう。また、症状が進むと、熟睡できなくなったり、仕事や家事に支障をきたすようになるため、精神的にストレスを抱え込んでしまう人も多いようで、一刻も早く治したいというのが正直なところでしょう。
肩に激痛が現れた直後の急性期には、患部がはれたり、熱をもつことがあります。これらの症状は1週間はどでおさまりますが、肩や腕を動かさず、冷湿布などで患部を冷やして炎症を鎮めることが大切です。
1週間を過ぎて慢性期に入ったら、血行を良くするために患部を温湿布などで温めたり、肩閑節を動かすことが必要になります。症状を改善させるための体操をしてみてください。
適切なケアと早期回復を望むなら、やはり病院に足を運んで医師の指示を仰ぐことをおすすめします。


●四十肩・五十肩の対処法

急性期(激痛発生から1週間)
*安静にする
*患部を冷やす

慢性期(激痛発生1週間以降)
*患部を温める
*肩関節を動かす


●四十肩・五十肩の改善や予防体操

*手のひらを下に向けて前に伸ばした両腕を上げ、できるだけ後ろにまっすぐに伸ばす。
*手のひらを上に向けて真横に伸ばした両腕を耳につくまで上げる。
*両腕を背中に回して腰のあたりで両手を組む。
*両腕を頭の後ろに回して両手を組む。



●四十肩・五十肩はどうして起こるのか

私たちが日頃「四十肩」「五十肩」と呼んでいる肩のトラブルには、「肩関節周囲炎」という病名がつけられています。これは、肩関節の周りの組織に炎症が起こってなる病気で、俗称のとおり、40代、50代を中心とした中高年層を悩ましています。そのため、この病気は老化に関係しているといわれます。
肩はいくつかの関節が組み合わさり、その周囲に筋肉や腱などがある複雑な構造になっています。そして、これらの関節の働きで広範囲にわたる動作が可能になっているのです。
四十肩、五十肩の炎症は、肩関節の中でも、上腕骨と肩甲骨をつないでいる肩甲上腕関節と肩峰下関節周辺に最も多く見られます。
その原因に関しては、年齢とともに肩関節が老化すると、骨と筋肉の結合部である腱に影響を及ぼして炎症を引き起こすというのが一般論のようです。また、老化に伴い筋肉に疲労がたまると、肩こりと同じように血行が悪くなりますが、これも炎症に関わっているといわれています。
発症については、今のところ、中高年に多発するという以外、はっきりとした傾向は明らかにされていないようです。つまり、男女ともに見舞われる可能性があり、酷使しがちな利き腕に多発するとか、定期的に運動をしている人はかからないというものではないのです。


●四十肩・五十肩のチェック方法

次の質問に答え、当てはまる項目が多いほど四十肩、五十肩の疑いが高まります。
・電車の吊革をつかもうとすると方に激痛が走る。
・ネクタイを首にかけようとすると肩が痛くて腕が上がらない。
・背中のファスナーやボタンに手が届かない。
・腕が上がらず、ブラシで髪がとかせない。
・荷物や食器などを高い場所に持ち上げて収納できない。



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