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病気になったら医療機関に行くのが通常だが、かぜの場合はすぐに診療所や病院へ行く人と、市販薬を飲んでしばらく様子を見て、治らないようなら病医院へ行く人と2通りあるだろう。どちらが得なのだろうか。

病医院派は2万6622円、市販薬派は2万3656円

かぜをひいた時、医療機関にかかったほうが得か、市販薬で治したほうが得かをテーマに、東京医科歯科大学大学院の川渕孝一研究室では、「風邪症状への対処法に関するアンケート調査」を実施した。調査対象は2001年1〜3月にかぜをひき、薬局で市販薬を購入したか、医療機関を受診した20〜79歳の男女278人(有効回答数92)で、完治するまでにかかった薬代と治療費、通院費、待ち時間、仕事を休んだ期間を質問した。
この調査によると、医療機関へ行った「DR型」は35人、薬局で売っている市販薬のみで治した「OTC型」は47人、市販薬を飲んだが治らないので医療機関へ行った「OTC→DR型」は10人だった。
さらに、各回答者の症状を「米国薬剤師会による行動指針(かぜ、インフルエンザ)」に照らし合わせ、対処方法が適切であったかどうかを医師が判断し、かかった医療費を比べた。


かぜの治療に関するアンケート調査結果
タイプ 対処方式
の評価
件数 直接
医療費
直接
非医療費
間接費用 合計
DR型 34 2,946円
(9,819円)
2,836円 20,840円 26,622円
(33,495円)
不適 1 6,150円
(20,550円)
2,557円 43,836円 52,543円
(66,893円)
OTC→
DR型
10 2,886円
(8,667円)
2,707円 24,247円 29,840円
(35,621円)
不適 0 - - - -
OTC型 43 934円 - 22,722円 23,656円
不適 4 2,717円 - 32,877円 35,594円


その結果、適切な対処法の人たちの薬代と直接医療費を比べると、市販薬で治した人が一番安いことがわかった。市販薬を飲んだが治らないので医療機関へ行った人は、時間的ロスまで考えると、最初から医療機関に行った人よりコストが高くなる。
つまり、ちょっとしたかぜなら市販薬でいいが、市販薬でよくならなかったり、症状がひどい場合は医療機関へ行ったほうがいいということになる。
川渕氏は、次のように語る。
「思いのほか、適切な対処法を選んでいる人が多かったですね。診断がかぜであれば、医療機関へ行っても薬で治すことになります。時間的ロスなど、治療以外の部分を考えた賢い選択が必要になるでしょう」


日本医療企画「ホスピタウン」より



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