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手術や入院などによってたくさんかかった医療費を後で取り戻す方法がある。高額療養費制度と、所得税の医療費控除だ。
自分で申請しないと戻ってこないため、所定の手続きにそって忘れずに請求するようにしよう。

自己負担限度額を超えた分が戻ってくる高額療養費制度

1つの医療機関で同じ月に健康保険を使って受けた治療費用の総額が自己負担限度額(標準報酬月額56万円未満の人は7万2300円+【医療費の総額−24万1000円】×1%、56万円以上の人は13万9800円+【医療費の総額−46万6000円】×1%)を超えると、その超過分が保険から払い戻されるというのが高額療養費制度だ。対象となるのは保険適用部分のみで、差額ベッド代などは含まれない。

高額療養費制度の仕組み
0〜69歳の人
所得区分 自己負担限度額
一般 7万2300円+(医療費の総額−24万1000円)×1%
(4ヶ月目から4万200円)
高所得者
(標準報酬月額56万円以上)
13万9800円+(医療費の総額−46万6000円)×1%
(4ヶ月目から7万7700円)
低所得者
(住民税非課税世帯)
3万5400円
(4ヶ月目から2万4600円)
70歳以上の人
所得区分 自己負担限度額
外来のみ(*) 世帯単位で入院と外来を合算
一般 1万2000円 4万200円
一定以上の所得者
(課税所得124万円以上)
4万200円 7万2300円+(医療費の総額−36万1500円)×1%
(4ヶ月目から4万200円)
住民税非課税 8000円 2万4600円
所得が一定以下 1万5000円

また、1年間に4ヶ月以上、高額療養費を受けとった場合は、4ヶ月目から自己負担限度額が下がり、戻ってくる金額が増える。
さらに、入院が2ヶ月にまたがり、最初の月は自己負担限度額を超えるが、2ヶ月目は超えないといったような場合には、最初の月の分しか戻ってこない。2ヶ月にまたがらないほうが得ということだ。ただし、返金までに2〜3ヶ月かかり、いったんは医療機関の窓口で請求された金額を支払わなくてはならない。
この高額療養費は、本人が申請しないと戻ってこない。
申請を忘れたり、制度のことをよく理解していなくて、受け取れなかったりする人もいるので注意しよう。問い合わせは、加入している健康保険組合や社会保険事務所、また、国民健康保険の場合は市区町村の窓口へ。


医療費控除の対象になるものを知っておこう

たくさんかかった医療費を取り戻すために忘れてはならないのが、所得税の医療費控除だ。確定申告をして受けることができる。
生計を1つにする家族が1月1日〜12月31日の間に支払った医療費の合計から、高額療養費制度や民間医療保険から受け取った金額を除いた額が10万円(所得金額が200万円未満の人は所得金額の5%)を超えれば、その超過分が医療費控除として所得から差し引かれ、税金が戻ってくるという仕組みだ。
なお、医療費として申告できるものと、できないものがあるので注意しよう。

医療費控除の仕組み
1年間に支払った医療費の世帯合計額
(1月1日〜12月31日)
高額療養制度や民間医療保険などから支給された金額 10万円
(所得金額が200万円未満の人は所得金額の5%)
医療費控除額
(最高200万円)

医療費控除の対象になるものとならないもの

控除の対象になるもの

  • 治療、療養のための医薬品の購入費
  • 6ヶ月以上寝たきりの人のおむつ代
    (医師のおむつ使用証明書が必要)
  • 助産師による分娩の介助費
  • 医師の往診の時の送迎代
  • 海外でかかった治療費、入院費用
  • 治療費、入院費用
  • 治療のためのあんま、マッサージ代、指圧師、はり師、きゅう師などによる施術費
  • 介護保険を使った居宅サービスの自己負担額
  • 義手、義足、松葉杖、義歯などの購入費用
  • 子どもの歯科矯正治療費
  • 通院時の交通費

控除の対象にならないもの

  • 美容整形費用
  • 眼鏡や補聴器などの購入費
  • 自分の意思で入った個室の差額ベッド代
  • 急を要しない通院時のタクシー代
  • 医師や看護師への謝礼
  • 健康増進や疾病予防のための医薬品の購入費
  • 親族に支払う療養上の世話代
  • 大人の歯科矯正治療費
  • 入院時のテレビ、冷蔵庫などの賃借料
  • 予防注射代


日本医療企画「ホスピタウン」より



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