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意識調査で男性に関心が高かった高血圧には、食生活や喫煙などが大きく関係する。
症状が悪化すると心筋梗塞や脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血を引き起こし、命が危険にさらされかねない。
高血圧の克服に成功した患者の声と、失敗した患者の声に耳を傾けてみよう。



ある日、月例の会議の席で私の人生を大きく変える出来事が起きました。会議の冒頭、毎回のことながら、部長からの叱咤がありました。それが、次第にヒートアップしていき、座りながら話していた部長は席を立ち、すさまじい勢いで檄を飛ばしはじめたのです。
会議が始まり15分ぐらい経過した頃だったでしょうか、ぞれまで勢いよく話し続けていた部長が「ドタン!」という音とともに倒れたのです。顔は真っ青になり、足はけいれんし、口から泡を吹いている状態。急いで救急車を呼び、病院へ運ばれていきました。原因は、急性心筋梗塞です。
ふだんから高血圧であった部長が、会議の席で熱くなりすぎ、さらに血圧を上昇させたために起こったとのことでした。部長は一命をとりとめましたが、同じよな高血圧状態の私にとって衝撃的な事件でした。
それから、私の生活も変わったのです。倒れた部長の姿が頭から離れず、「あんふうにはなりたくない。高血圧の治療に取り組もう」と決意。
早速、かかりつけの医師を見つけて、薬の服用を中心に食事療法を行い、25年間続けていた喫煙も止めました。治療から1年後には正常値まで戻り快適な生活を過ごしています。




私は、長嶋茂雄さんが巨人軍の選手として活躍していた頃からの大ファンで、若い時は”追っかけ”をやっていたほどです。その私も50歳を過ぎたあたりから、更年期障害に悩まされ、高血圧も患いました。更年期障害に対しては多くの症状で苦しめられたので、治療も真剣に受けて改善が見られましたが、高血圧は「歳のせいもあるかも」と安易に考えていました。
しかし、長嶋さんが脳卒中で倒れた報道を見て、大きなショックを受けるとともに、私も注意しなければと自覚を促されました。なぜなら、連日流れるテレビ放送が、脳卒中になる大きなリスクファクターに高血圧があると伝えていたからです。それまでは高血圧のことなどあまり気にしてはいなかったのですが、「健康的だった長嶋さんでさえ、あのようになってしまう・・・」と考えると、怖くてしかたがありませんでした。
早速、最寄りの病院へ足を運び、治療を開始しました。私の治療は、これからもしばらくは続くはずです。大きな病気を引き起こす前に、健康な体を取り戻すために努力しようと思っています。




「国内には、たくさんの高血圧患者がいる。そのうち、運の悪いヤツが脳卒中や心筋梗塞になるんだ」と考えていたのが、8年前の私でした。そして、見事に自らその運の悪いヤツになってしまったのです。
高血圧と参断されたのは、38歳の時でした。会社の健康診断の結果、「高血圧に注意しましょう」という報告が手元に届いたのです。そのまま放置していたところ、その症状は徐々に悪化。42歳の時の結果では、「治療が必要」と明記されていました。しかし、それでも治療は受けず、多少喫煙の量を減らした程度だったと記憶しています。
そして、運命の日は訪れました。会社の帰りに同僚と居酒屋に行ったのですが、何か胸のあたりが苦しく、左の背中から肩にかけて重く感じました。「疲れがたまっているのかな」と考えていたら、それから1時間近くたったでしょうか、急激な胸の痛みと締めつけに襲われたのです。いすから倒れ込み、その後の記憶はありません。
目を開けると、そこには妻と子どもがいました。そう、私は急性心筋梗塞で倒れ、緊急手術を受けて集中治療室にいたのです。
今振り返ると、高血圧を軽視していたことを恥ずかしく思います。「危機感のないことが最大の危機である」というように、生活習慣病を甘く見てはいけません。



日本医療企画「ホスピタウン」より



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