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意識調査の結果では、あまり気にかけられていなかった高脂血症。
血液中にコレステロールと中性脂肪が異常に増えている状態になることだが、自覚症状や兆候が現れず、静かな疾患(サイレント・ディジーズ)という別名を持つ。
放置しておくと、ある日突然、動脈硬化や心筋梗塞などに襲われる怖い病気だ。



高脂血症という病気は、医師から言われるまで、まったく知らないものでした。ある日、体調がすぐれなかったために近くのクリニックを受診した際、血液を採取されました。
数日後、結果を開きに行ったところ、「中性脂肪とコレステロール値が高いですね」と医師から言われ、高脂血症と診断されたのです。体調の悪さとは直接的な関係はなかったのですが、このままでは重い病気を患うかもしれないと注意されました。
そのクリニックでは予防医療も行っていたため、血液サラサラ度のチェックができる設備を完備していました。そこで、指先からほんの少し血液を採取され、電子顕微鏡で自分の血液の状態を見てもらうと、私の血液はまさにドロドロ状態。健康な人のサラサラの血液と比較すると、そのドロドロ加減はひどいものでした。ショックを受けるのと同時に、何とか改善しなくてはと決意したのです。
医師からいただいたアドバイスをもとに、薬物療法と食事療法、運動療法を組み合わせた治療法を実践しました。重い病気にかかることへの恐怖もありましたが、1日も早く健康的なサラサラの血液になりたいという思いが自らを支えてくれていたと思います。
治療から1年後の検査では、中性脂肪もコレステロール値も下がりました。そして、電子顕微鏡で見る自分の血液もサラサラの状態になっていたのです。




私には、10年来の付き合いがあるかかりつけ医がいます。とても丁寧かつ新切で、心から信頼できる先生です。近所では”気軽に相談できるお医者さん”という評判です。
そのような先生ですから怒ったところなど見たこともなく、想像もつきませんでした。ところがある日、先生から激しく怒られたのです。それは、コレステロール値が高いにもかかわらず、食生活の改善などの努力をしなかったためです。
定期検査の際、「しっかりプログラムを実賎していますか?」と開かれ、「はい」と偽りの返事をしていました。しかし、コレステロール値がかなり上がっていたのでしょう。その偽りが見破られたのです。
「私は、あなたのことを思って真剣に治療をしています。このままでは脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすかもしれません。生活習慣病を克服するためには、医師である私と患者のあなたが共に協力して治療をしていきますが、最終的にはあなた自身の自分との闘いなのですよ」と、激しく怒られたのです。
あの先生から怒られたというショックで、その日は何も手につきませんでしたが、このままではいけないと思い、先生から数ヵ月前に渡されたプログラムを机の引き出しから探し出し、早速実威することに努めました。現在も、先生と協力しながら治療を続けています。「先生から叱られてやっと実践する」というのは、まるで小学生のようですが、自らを戒めるのによい機会になったのは確かです。




私が高脂血症と診断されたのは、3年前のことです。その前から血圧も少し高めで、医師からは食生活などに注意するように言われていたのです。しかし、何も気にとめることはなく、普通に食事をとり、喫煙も飲酒もしていました。
そして2年前の春、暖かい陽射しを感じながら出勤していると、頭を突然、金づちで叩かれたような痛みに襲われ、そのままその場で動けなくなりました。近くにいた人が救急車を呼んでくれて、救急車の中に運び込まれたまでは何となく覚えているのですが、その後の記憶はまったくありません。
気がつくと、病院の集中治療室にいました。高血圧と高脂血症が引き金となり、脳内出血を起こしたのです。手術により何とか命は助かりましたが、後遺症として下半身不随が残ってしまいました。リハビリ生活を一生懸命になって続けましたが、元の体には戻りません。現在、車いすを使用しながらの生活を送っています。
生活習慣病は本当に怖い病気だと身にしみています。実体とかけ離れた軽そうな病名で気にしていない人も数多くいるでしょうが、そのまま放置することだけは絶対にやめていただきたいと心から思います。



日本医療企画「ホスピタウン」より



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