HOME 特集 今月の健康 予防医学 温泉で健康

中高年を中心に、幅広い年齢層に広がる肥満は、体における脂肪の蓄積量が標準値を超した状態をいう。
ここまで紹介してきた糖尿病や高血圧、高脂血症などを伴うため、心筋梗塞や脳卒中になる確率が高い。
また、腰や膝への負担も大きくなる。



2年前の私は、身長154cm、体重106kg。”ポッチヤリ”なんてかわいいものではなく、ただの”デブ”、正真正銘の杷満でした。血圧も高く、糖尿病予備軍として過ごしていたのです。それでも女性ですから、見かけはやはり気になります。そこで、さまざまなダイエットに関する雑誌や書籍を購入し、いろいろなことを試みたのですが、すべて失敗。いつの日か、年齢も若くないこともあって「まあ、いいや」と、何もしないようになり、体重も増え続けていったのです。
そんななか、あるテレビ番組に釘づけになりました。それは、体重240kgにもなった人が、ベッドから起き上がることや歩くことがつらくなるだけでなく、内臓器官にも障害が現れてきたため、胃を切除するという大がかりな手術を受けるものでした。また、術後の経過も映し出され、急激にやせてしまったことにより、皮膚がプヨンプヨンにたるんでいたのです。そのたるんだ皮膚を切除する手術の様子も流されました。
私は、その映像にものすごい術撃を受けたのです。「このままだと、私もあのようになっでしまうの?」、「手術?冗談じゃない。手術後の傷跡が多く残る体になりたくない」
それから数日後、意を決して肥満外来のある病院を訪ねました。医師からは「肥満だけでなく、高血圧、高脂血症、糖尿病も一緒に治療していかなければなりませんね」と言われ、恥ずかしくて涙が出てきました。そして、治療が開始されました。薬物治療もありますが、食事療法と運動療法が中心です。「食べたいものが食べられない、運動がつらい」など、まさに自分のなかに潜む誘惑との戦いです。しかし何とか頑張ろうと、現在でも努力しています。
5年が経過した今、体重は73kgまで減りました。高血圧などにも改善の兆しが見られています。




現在、私の体重は124kg、身長が174mです。4年前までは、体重が160kg近くありました。そのため当時は、高血圧や高脂血症なども患っていて、治療のため通院する日々が続きました。高血圧や高脂血症の状態は、治療の効果もあって次第に改善していますが、肥満による腰や膝への負担が大きかった影響で、杖なしでは生活できません。
体重は減ってはいますが、腰や膝が受けたダメージは強く、数年後には車いすでの生活になると、医師から言われているのです。
私は、高校時代からラグビー部に所属し活躍していました。高校から大学、そして社会人とずっとラグビーを続けていたので、体力には自信がありました。当時も体重が100kg近くあったのですが、ほとんどが筋肉だったため、健康診断での異常値は何も見つかりませんでした。
しかし、32歳の時に体力の限界を感じてラグビー部を退部。そこから何もスポーツをせずに過ごしてしまったことが、最大の失敗だったと思います。ほとんどが筋肉だった体に脂肪が増え、内臓器官に多く付着。そして、筋肉が急激に落ちたことから、腰や膝への負担が大きくなったのです。もともとスポーツをしている人たちには、腰や膝などを負傷している人が少なくありません。現役当時は、筋肉によってその負傷をカバーすることもできましたが、筋肉がなくなるとその負傷は強く顕在化するのです。
筋肉でがっちりと固められた体も、運動を怠るとすべてが脂肪に変わってしまいます。しかも、スポーツをしていない人以上に、その影響は大きいのです。何とか車いすでの生活にならないように、筋力強化のリハビリを続けています。



日本医療企画「ホスピタウン」より



このホームページのご意見・ご感想はこちらまでinfo@e.oisyasan.ne.jp

Copyright (C) 2000 e.oisyasan.ne.jp. All rights reserved