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「医療のことは難しくてわからない」と、受診の際にすべて医療機関側の言いなりなってはいませんか?
医療にまつわる言葉の意味や、ちょっとした制度を知っておくことで、実は得することも結構あります。



(基礎編)受診時に心がけること

病気になって病院にかかった際、あなたは医師の言いなりになっていないだろうか?「医師は完璧でどんな病気でも治してくれる」と思うのは大間違い。近頃ニュースなどで目にする医療ミスから身を守るためにも、お任せ医療はやめて「良い医療」を受ける努力をしたい。
しかし、「ふだん病院にかかっていないので、『努力をしなさい』と言われても、何をしたらよいのかわからない」と言う方も多いのではないだろうか?そんな方のために、ここでは、まず病医院を受診をする際に覚えておくと役立つポイントをまとめてみた。
まず、病院選びの際に注意したいのが、「医師の専門分野」を見極めることだ。医師が1人しかいないのに、「内科・消化器科・循環器科・小児科」など、たくさんの診療科目を標傍している診療所は多い。これは、日本では麻酔科を除き、診療科を自由に標傍しても良いことになっているからだ。しかし、実際には専門以外の診療科目を掲げ、「客寄せ」をしているケースも散見される。医師には得意分野があるので、院内に掲げられた専門医の資格認定状や掲示物などから専門を探ったり、直接、医師本人に専門分野を聞いてみるのも良いだろう。
実際に受診する際に心がけることは「正直に自分の状態を話し、疑問に思ったことは聞く」こと。たとえば、現在服用している薬があれば、必ず医師に伝えよう。新しく処方された薬と一緒に飲んではいけない薬の場合、思わぬ副作用を起こすことも考えられるからだ。また、検査のなかには、体に危険を及ぼす可能性があるものも多い。説明を十分に聞かないと、思いもよらない事故に遭遇する可能性も・・・。疑問に思ったことは、とにかく聞く癖を身に付けよう。
「受診の際は時間がなくて何を聞いてよいのかわからず焦ってしまう」という人には、メモの活用がおすすめ。聞きたいことを事前にメモにまとめておけば的確でコンパクトに質問することができるはずだ。もちろん、医師が話しているポイントをメモすることで、後で読み返すこともできる。




(応用編)セカンドオピニオンの求め方

ここ数年の間に、大学病院や地域の中核病院で、セカンドオピニオン外来が相次いで開設されている。また、クリニックでも受け入れが広まるなど、日本でもその重要性が徐々に浸透しつつある。セカンドオピニオンは直訳すると「第二の意見」で、主治医以外に治療についての意見を仰ぐことを意味する。客観的な情報を患者が入手できるので、治療の選択の幅が広がることにつながる。
たとえば、がんの治療に関して言えば、全摘術や切除術だけではなく、温存術や放射線療法などさまざまな方法が存在するが、治療方針はそれぞれの医師によって異なる可能性がある。最近では、手術、放射線療法、抗がん剤などを併用した集学的治療が主流になっていることからも、治療開始前に複数の医師の意見を聞き、しっかりとした治療計画を立てる必要がある。そうした理由からセカンドオピニオンが重要視されているのだ。
セカンドオピニオンを受ける際には、まずは主治医との話し合いを持とう。そして治療方針について意見をきちんと聞いた後に、「セカンドオピニオンを受けたい」と相談を持ちかける。その後、主治医に紹介状(診療情報提供書)を書いてもらったうえで、病理検査や]線検査、内視鏡や血液検査の結果などの必要なデータを借用して、セカンドオピニオン先の病医院を受診しよう。外来診療時間とは別枠で特別外来を設けているケースも多いので、事前に電話などで予約をとり、受診の際に持参する物を聞いておくとスムーズに進むだろう。
また、自分の病歴や治療の経過を時系列でまとめたり、どんな理由でどのような治療を望むのかをメモにまとめておくと良い。それらを参考に、正直に自分の思いを話し、意見を聞き、わからないことがあれば率直に質問することを心がけよう。
そして、何よりも大切なことは、セカンドオピニオンを求めたら、その結果を主治医に伝えること。セカンド医の意見をもとに、主治医と相談しながら最終的に自分が受ける治療方針を決定する。自分の命にかかわる可能性がある医療は、必ず納得してから受けるようにしよう。




日本医療企画「ホスピタウン」より



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