多くの伝染病が減少しているなかで、インフルエンザは毎年のように多くの患者が発生し、ときには爆発的な流行が起こります。
その原因は、インフルエンザ・ウイルスが周期的に大きな抗原変異を起こし、タイプが変わってしまうため、免疫が役に立たず、何度もかかってしまうことになるからです。
インフルエンザ・ウイルスは、この抗原の違いによって大きくA型、B型、C型の3タイプに分かれます。なかでもA型は、香港型に代表されるように感染力が強く、大流行を起こします。
感染経路は患者のせきやくしゃみによって空気中にばらまかれたウイルスを、直接鼻や□から吸い込むことによって起こる飛沫感染です。
インフルエンザはかぜの一種と考えている人もいますが、普通のかぜとインフルエンザでは、共通した症状はあっても、原因となるウイルスが異なる別の病気です。インフルエンザは死者も出ている怖い病気で高熱と全身症状が特徴。重症化すると合併症を引き起こすこともあります。
病状は吐き気、下痢、腹痛、発熱、のどの腫れなどで、A型の場合1週間たっても治らず、長引く場合が多くなっています。また、肺炎や気管支炎、脳炎、脳症、中耳炎などの合併症を伴うこともあります。 |