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その4)美容的な皮膚の悩み

皮膚に対する美容的な研究が進み、ケミカルビーリング、レーザー治療などが皮膚科でも行われるようになったここ数年、美容皮膚科を標榜する医療機関も増加している。気になるニキビやニキビ跡、赤ら顔、シワやシミなども、治療可能だ。



ニキビ

●症状・原因
男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰な思春期以降、顔面や胸、背中などにできる毛包脂腺系の慢性炎症。皮脂分泌が盛んな人に発症しやすい。前髪をいつも額に垂れ下がらせたり、首に衣類が接触したり、また、生理不順や過労、心身のストレスなどによってホルモンのバランスが崩れ、皮脂の分泌が過剰になると、ニキビができやすくなる。さらに、冷暖房で皮膚を乾燥させたり、紫外線で皮膚の抵抗力が弱まると悪化する。

●治療
ニキピが10個近くでき、2週間経っても治らないような時は皮膚科で治療を受けよう。抗生剤の入った内服薬や外用薬での治療が中心となるが、最近ではニキピをできにくくする医療用のビタミンC誘導体のローションや、がんこなニキピにはホルモン剤やピーリング剤を使用することで、きれいに治すことも可能になっている。色素沈着したニキピ跡の場合は、ビタミンC誘導体やケミカルピーリングで除去し、レーザー治療でコラーゲンを再生させることで、クレーターのような跡を目立たなくさせることもできる。

●日常の注意
朝晩2回、石けんの泡で包むように手でやさしく洗顔し、肌を乾燥させないように保湿剤を塗っておく。脱脂力の強い洗顔料はやめ、ナイロンやブラシ、スポンジ洗顔も避ける。寝る時にうつぶせで寝たり、布団をかぶって寝ると、悪化するので注意しよう。




シミ・そばかす

●症状・原因
表皮にできるシミには、表面が平らな日光性色素斑、ザラザラしていて表面が隆起した脂漏性角化症、頬や額に左右対称にできる肝斑、遺伝性のそばかすなどがある。
若いうちは紫外線を浴びてシミをつくっても、新陳代謝のサイクルである28日もたてば、角質細胞が生まれ変わり、薄くなる。しかし、女性ホルモンの分泌が低下しはじめる40代になると、皮膚の新陳代謝も鈍くなるため、シミができやすく、薄くなりにくくなる。そのほか、過度の洗顔や化粧など皮膚への強い刺激、虫さされやニキピ跡なども、色素沈着によりシミになることがある。

●治療
表皮が盛り上がった脂漏性角化症の場合は、液体窒素で冷凍し、かさぷたにして除去することが可能。表面が平らな日光性色素斑やそばかすは、レーザー治療でメラニン色素を破壊してシミを薄くする。メラニンをつくるメラノサイトも破壊できるので、シミの再生を防ぐこともできる。一方、妊娠を契機に発症するため、ホルモンが関係しているとみられる肝斑の場合は、レーザー治療ではかえって濃くなるので、ビタミンCやトラネキサム酸などを内服する。

●日常の注意
シミを始めとした肌のトラブルには、紫外線対策が大切。紫外線は春頃から強くなるので、外出する際にはサンスクリーンを塗り、長袖に日傘というスタイルで。紫外線が特に強い午前10時から午後2時頃までは、なるべく室内で過ごすようにしよう。




ホクロ

●症状・原因
色素をつくるメラノサイトやシュワン細胞に分化できなかつた母斑細胞が増殖してできる。大きさや色が変化するなどした場合は検査し、がんでないことを確かめておこう。眉にある大きなホクロなど、顔の表情を壊すようなものも取り除くことができる。

●治療
手術や電気メス、炭酸ガスレーザーで切り取る。たとえ皮膚がんでも早期に切除しておけば、命には別状のないものが多い。




やけど

●症状
やけどは、その深さにより、@表皮のやけどで患部が赤くなりむくむ(T度)、A真皮に及び水疱やただれができる。浅達性と深達性とがある(U度)、B皮下組織に及んでおり、跡が残り、皮膚の再生にも時間がかかる(V度)に分類される。範囲によっては植皮が必要となる。
顔面のやけどや、手のひらよりも範囲が大きい時、乳児や70歳以上の高齢者の場合は、すぐ受診しよう。U度で15%以上、V度で2%以上のやけどを負った際には、救急車で入院設備のある病院へ。

●治療
軽いやけどの場合は、まず冷やすことが大切。衣類の上からやけどをした際には、無理に脱衣せず、流水で冷やし、やけどの進行をくい止める。一方、T度の場合は冷やして、炎症を押さえるステロイド剤を外用。U度以上では皮膚科を受診し、抗生物質を含む外用薬を塗布する。なお、V度以上のやけどを負った場合は、総合病院で救命治療が行われる。
なお、民間療法などでは、みそやネギの汁、アロエなどの塗布が良いとされているが、患部が不衛生になるので絶対に避けよう。




多汗症

●症状
日常生活に支障をきたすほど汗が多量に出ている状況が、多汗症。全身性多汗症は肥満や糖尿病などを患っている時に見られる。局所性多汗症は、緊張した時などに、手のひらや足の裏、脇の下、額などの体の一部に汗がどっと吹き出る状態。

●治療
全身性の場合は、原因となる病気の治療を。局所性の場合は、制汗剤を使用し、精神安定剤を服用する。




わきが

●症状
人間は、脇の下や外陰部などにあるアポクリン汗腺から発汗するが、その汗をそのままにしていると、皮虜表面にいる細菌が汗を分解してニオイを放つ。これがわきがである。

●治療
脇の下の清潔のためワキ毛をレーザー脱毛すると、ニオイが気にならなくなる。今ではレーザー光線を照射して毛母細胞を破壊するレーザー脱毛により、わずか5分ほどで両側の脱毛が可能。これを数回繰り返せば、永久脱毛ができる。




脱毛症

●症状
円形脱毛症、男性型脱毛症、粃糠性脱毛症(ふけ症)、びまん性脱毛症がある。
このうち円形脱毛症では、頭髪が円形状に抜け、脱毛が頭全体に及んだり、眉毛や体毛が抜けたりすることもある。原因は自己免疫説、ストレス説などさまざまだが、毛包上皮への細胞性免疫による毛包障害が有力とされている。
また、男性型脱毛症は、加齢により前頭部や後頭部の硬毛が軟毛に変わるというもので、男性ホルモンの作用とされる。一方、粃糠性脱毛症は、ふけの量が多くなり、かゆみを伴いながら脱毛するのが特徴。皮脂の分泌異常や角質の代謝異常が原因とされる。
びまん性脱毛症は頭皮全体の毛が抜け薄くなるもので、中年女性に多い。

●治療
円形脱毛症は自然に治ることも多いが、治療を行う際には、血行改善剤や抗アレルギー剤を内服し、ステロイド剤などを外用する。このほか、局所を刺激して発毛を促すドライアイス圧抵療法、SADBE療法などもある。男性型脱毛症には以前は血管拡張剤が使われていたが、最近はプロペシアという内服薬が有効と言われている。外用では1%ミノキシジルが有効だ。一方、粃糠性脱毛症の場合はステロイドなどのローションを使用し、ビタミンB2、B6などを服用する。抗がん剤などの薬剤、甲状腺機能亢進や低下、膠原病などの疾患によっても脱毛は発症するので、まずは医療機関を受診して、自分がどのタイプなのかを調べることが望ましい。





日本医療企画「ホスピタウン」より



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