●老人性難聴
老化現象の1つで、内耳の感覚細胞や聴覚に関連する神経などの組織が萎縮するために生じる。音は聞こえているが会話が聞き取りにくく、聞き間違えたり、聞き返しが増えてくる。通常の聴力検査に加えて、言葉の聞こえを調べる語音明瞭度検査などから診断をつける。これといった治療法はなく、日常生活に差し支えるようなら補聴器を使用する。音がまったく聞こえない際の治療としては、人工内耳埋め込み術がある。
●突発性難聴
ウイルス感染や内耳の血管障害などの説もあるが、原因ははつきりしない。突然、片方の耳(まれに両耳)が聞こえなくなる。その前後に耳がふさがった感じや、天井がぐるぐる回る回転性のめまいが起きることがある。治療にはステロイド剤、血管拡張築、抗凝固簗、ビタミン剤などを使用。1週間以内に治療を開始することがもっとも重要で、完全に聴力を取り戻せることも少なくない。
●心因性難聴
小学校低学年の女子に多く見られる。実際には音が聞こえているのに、検診の際に両耳または片耳の難聴が見つかる。精密検査をしても実際の聴覚機能に異常はみられない。カウンセリングを受けながら精神的な背景を探り、心の問題を解決することが時に必要となる。
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