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専門外来を開設する病院の増加や民間団体の発足など、近年、私たちの間でもその存在が急速に認識されつつある「セカンドオピニオン」。
今年4月の珍療報酬改定で、セカンドオピニオンのための情報提供が評価されたことにより、その流れはさらに加速しそうだが、「実際どのように利用すれば良いのかわかりづらい」という人も多いことだろう。
納得して治療を受けるためにも、セカンドオピニオンの正しい利用の仕方を身につけよう。



医療の進歩で生まれたシステム

1970年代にアメリカで誕生したセカンドオピニオン。診断や治療法に納得がいかなかったり、不安が残る場合、主治医以外の医師に意見を仰ぐことができるこのシステムは、治療法の選択肢が広がる患者だけではなく、「誤診が回避できる」「的確な治療計画を立てられる」など、医師にも利益をもたらすのが特徴だ。
いち早くその必要性が指摘されたのが、がんの治療。70年代には臓器の全摘が主流だったが、現在は医学の進歩によって部分切除や放射線治療でも全摘手術と同等の生存率が得られるようになった。また、抗がん剤やホルモン療法などの補助療法が確立されると、さらに生存率は向上した。
新しい治療法が次々と確立される現在、複数の医師の意見をもとに最適な治療を行うことを目的とするセカンドオピニオンは、がんに限らず、さまざまな疾患で活用すべき仕組みと言えるだろう。
では、実際にセカンドオピニオンを受けるためには、どうすれば良いのだろうか?具体的には、まず主治医に紹介状を書いてもらい、検査結果やX線画像などの診療情報を提供してもらうことが必要となる。その後、セカンドオピニオンに応じてくれる医師を見つけ、意見を求める。そして、そこで得られた情報を整理したうえで自分で治療法を決めて、再度主治医のもとを訪問して報告するという流れだ。なお、セカンドオピニオンは主治医を複数持つということであって、変更するわけではない。
わが国では、患者側の認識不足や積極的に推進する医師が少ないなどの問題から、定着するまでには至っていなかった。ところが、昨今の医療事故の多発などにより、ここに来て患者側の意識が高まっていること、またそれにあわせて「セカンドオピニオン外来」を設ける病院が増えていることなどから、徐々に浸透しつつある。さらに、今年4月の診療報酬改定により、セカンドオピニオンを希望する患者に情報提供を行った場合、新設された「診療情報提供料」(500点・・・1点10円、5000円。3割負担の場合、患者負担は1500円)の算定が可能とされたことから、今後、推進に転じる医療機関の増加が予想される。患者自らが、病院だけでなく治療法までをも選択する時代が目前に追っている。


セカンドオピニオンの流れ

主治医のもとで検査を受け、診断、治療法についての説明を受ける
主治医にセカンドオピニオンの希望を伝える
主治医から紹介状・検査結果などをもらう
セカンドオピニオン協力医を探す
セカンドオピニオン医に連結し受け入れ体制などを確認
セカンドオピニオンを受ける
自分で考えて治療法を選択
主治医に結果を報告




日本医療企画「ホスピタウン」より



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