過失を証明する証拠を集める
「医療事故かもしれない」と疑いを持った際に一番大切なのは、ます冷静になること。それから「何が起こつたのか」を把握していくことになるが、「過失を証明する状況証拠をいかに集めるかがポイント」と語る。具体的には
- 医師側の治療経過、治療方針などについて、医師や看護師から、いつ、どこで、具体的にどのような発言があったかを時系列に沿って具体的に書きとめる
- 患者がいつ、どのような容体だったか可能な限り思い出し、その体温や脈拍、発汗の状況、痛みの具合、尿や排便などについて具体的に書きとめる
- 治療方針を書いた書類などがあれば保存する
- 診断書や領収書、レセプト控などについても保存する
- 担当の医師や看護師の氏名、病室の同室者の氏名なども可能な限り控えておく
- 可能な範囲でボイスレコーダーやテープレコーダー、デジタルカメラなどで患者の様子、医師の説明など生の証拠を収集しておく
- 死亡事故の場合は警察に通報して司法解剖を求める手続きをする
- 医療専門の弁護士に相談し、証拠保全手続きをとって診療録、手術録、看護記録、X線検査のフィルム、レセプト控などを確保する。それらを検証してくれる協力医を見つけ、その意見も踏まえて今後の方針を決める
といったことが必要になる。
相談窓口などを利用しよう
医療事故に関する市民団体なども全国各地に存在する。医療事故を疑った際には、まずはこうした機関の相談窓口をたすねてみよう。
「医療訴松を起こす場合、覚えておいていただきたいのは、訴訟には膨大な時間と費用がかかるということ。もちろん、必すしも満足のいく結果が得られるわけではありません。やはり、医療ミスを未然に防ぐ努力を惜しまないでほしいと思います」
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