Q)どの医療機関でも、保険が適用される禁煙指導を受けられる?
認定施設でなければ保険は適用されません。認定施設となるには、「禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること」などの人員基準のほか、「禁煙治療を行うための呼気一酸化炭素濃度測定器を備えていること」といった複数の条件をクリアしなければなりません。
なお、「敷地内が禁煙であること」という条件もありますので、喫煙所が設けられている医療機関では保険は適用されません。
ただし、クリニックがピルのなかに開設されている場合などでは、保有または借用している部分が禁煙であれば問題ありません。
Q)誰でも保険が適用される?
次の4つの条件をすべて満たしている人が対象となります。
- ただちに禁煙することを希望している患者
- 1日の喫煙本数×喫煙年数の「プリンクマン指数」が200以上の者
- ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断された者
- 「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療についての説明を受け、当該治療を受けることを文書によって同意している者
ちなみに、タバコに含まれるタールやニコチンの量は関係ありません。
軽いタバコは害が少ないイメージがありますが、軽いタバコも強いタバコも、中に入っているタバコの葉は同じです。違いはフィルターの穴。軽いものほど穴の数が多いのです。タバコの箱に表示してあるニコチンやタールの量は、機械にタバコを一定量吸わせて測定した値です。フィルターの穴の数が多いほど、吸う時に空気が入ってくるので煙が薄くなり、測定値が低くなります。
しかし、実際に人が吸う時には、穴から入ってきた空気とタバコの煙が一緒になって、速いスピードで体内に入るので、吸い込む量が多くなります。このため、強いタバコも軽いタバコも、体内に入るニコチンの量にははとんど差がないのです。
むしろ、軽いタバコは肺の奥まで深く吸い込みやすいため、肺がんにかかる危険性が増える、とも言われています。
Q)費用はどのくらい?
禁煙をただちに希望し、主治医から禁煙指導を受ける際には、保険が適用されます。
「ニコチン依存症指導管理料」(1点10円)・・・初回(1週目)230点=2,300円、2〜4回目(2週目、4週目、8週日)184点=1,840円、5回目(最終回:12週目)180点=1,800円。3割負担の場合、それぞれ690円、552円、540円です。これに処方料、薬剤管理料などが加わります。
一万、認定施設以外でも「禁煙外来」などを設けているところでは、独自に設定した料金を全額患者負担としているケースもあります。医療機関によって対応が異なるので、事前に確認しましょう。
Q)保険が適用されるのは、ニコチンパッチだけ?
ニコチンパッチだけです。しかも、保険が適用されるのは、認定施設における禁煙指導に限定されています。認定施設以外で禁煙指導を受ける場合は保険外となり、個々の医療機関が設定した料金を全額自分で負担することになります。
なお、ニコチンバッチは大・中・小のサイズによって、若干、価格が異なります。もっとも治療中は、大・中・小の順を追う必要はありません。中サイズを飛ばして小サイズを希望する人もいます。なお、ニコチンガムには、保険は適用されません。全額自己負担となります。
Q)治療を途中でやめた場合は?
途中でやめてしまった人は、また初回から受けなくてはならないのか?2回目以降は保険適用とならないのか?などの再治療の規定については、現在のところ決まっていません。
なお、禁煙指導を受けたからといって、100%禁煙できるとは限りません。
あくまでも禁煙をサポートするもの、と考えてください。
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