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●擦り傷
転んで擦りむいたときの傷です。基本は消毒と傷口の保護です。土や泥、ゴミが傷□にびっしりついているときには、しっかり洗浄をしないと感染を起こしたり、傷の治りを遅くすることになります。水道水に傷□を当て、流しながら洗浄しますが、あまりしつこく洗い流そうとすると、かえって刺激し、悪化させることになるのでほどほどに。
洗浄したら消毒を行います。消毒薬は1種類を使い、使い過ぎないようにします。終わったら清潔なガーゼで傷□を保護します。傷の大きさによっては救急ばんそうこうだけでち十分です。

●切り傷
軽い切り傷ならば日常生活でも経験しているので、あまり驚くことはありませんが、野外での切り傷では、傷□に土や泥などがついていることが多いので、ます洗浄して表面の汚れを落とし、傷□の安全を確保する必要があります。
近くに水道水があれば、流しながら洗浄してしまいます。近くにない場合には、飲料水でもかまいません。多少の出血ならば、かえって出したほうが洗浄効果が上がります。きれいに洗浄し終わったら、消毒を行います。傷□が深いときには、表面だけに消毒薬をかけ、奥の消毒は医療機関に任せます。消毒が終わったら、きれいなガーゼを当てて傷□を保護し、包帯やテープを巻きます。
出血がひどい場合には、ます止血を行います。止血は、ガーゼなどで傷□を直接押さえる直接圧迫法を使います。それだけで止血ができない場合には、患部を心臓よりも高く上げたり、患部と心臓の間のもっとも大きな動脈を皮膚の上から押す関節圧迫法で止血し、急いで医師の手当てを受けます。




異物

●鼻に異物が入った
子どもが豆やビー玉などを鼻に詰めてしまうことがあります。詰まっていない側の鼻の穴を塞いで、思いきって詰まっている側の鼻で空気を吐き出すようにさせ、詰まったものを外に出すことが賢明。どうしても取れない場合には、取ろうとするとかえって中に押し込んでしまうことになるので、耳鼻科に受診します。

●耳に異物が入った
水が入ったときは、入った耳を下に向けてトントン飛ぶか、綿棒で水を吸い取ります。また、水の入った耳を下に向け、温かい石などに押しつけると出てきます。
虫が飛び込んだ場合には、電灯で耳の中を照らしたり、タバコの煙を静かに吹き込むと出てくることがあります。ピンセットや耳かきで取るうとすると、傷つける恐れがあるのでやめましょう。泥水や泥、砂などが入ったときには早めに耳鼻科に受診し、洗浄して取り除くことになります。応急手当をしても取れないときは、無理をしないで受診しましょう。

●目に異物が入った
砂ぼこりや虫が目に飛び込むことはよくありますが、いったい何が入ったのかよくわからないことが多いかもしれません。そのときには、こすらないでください。こすると角膜を傷つけてしまうことがありますので、次の方法で静かに取り除きましょう。
ます、目を閉じて涙で異物を流し出すようにします。それでも取れないときには、洗面器にきれいな水を張り、顔をつけて目をパチパチさせます。まぶたの裏側についている異物はめん棒で取り除きます。それでも取れないときには眼科医に受診しましょう。




骨・筋肉

●打撲
基本的には、軽い手足の打撲ならば、冷やして安静にしているだけで症状は緩和されます。しかし、転倒などによる打撲は手足ばかりでなく、頭部や腹部にも影響が及びます。頭を強く打ったとき、意識がない場合はもちろん、打った直後に少しでも意識を失ったり、目の周囲や鼻、耳から出血している、吐き気・嘔吐を訴える、意識が次第に遠のく、頭痛がだんだんひどくなる、などの場合には急いで救急車を要請します。意識がない場合には、救急車が来るまでファーストエイドを的確に行ってください。
腹部、胸部の強い打撲も同様に安静を守り、救急車を要請します。

●捻挫・脱臼
捻挫とは、関節の骨と骨をつないでいる靭帯が急激に伸びきってしまった状態のこと。脱臼とは、関節が正常な可動範囲を超えてズレたり、外れたりしている状態です。素人には区別が難しいので、応急手当では患部を安静にし、冷湿布をして、もっとも楽な姿勢のまま固定することがポイントです。痛み、腫れがひどい場合には、骨折を伴っていることがあるので、できるだけ早く専門医に診せましょう。

●骨折
出血がある場合はガーゼなどで止血をします。安静にして患部が動かないように固定します。骨折したままで不用意に歩いたり、引っ張ったりしてはいけません。骨が外に飛び出している場合には、そのまま清潔なガーゼを厚めに当て、副木をして固定します。応急手当をしたら、救急車を呼ぶか、専門医に運びます。

●アキレス腱断裂
サッカー、バレー、登山など、急激な運動をしたり、高所から飛び下りたりすると、足のかかとの後ろ側のアキレス腱が切れたり、裂けたりします。断裂すると、激痛とともに歩けなくなります。うつ伏せに寝かせて、足の甲を伸ばした状態でむこう脛から爪先までを副木で固定し、患部を冷やしたまま病院へ運びます。




事故

●水難事故
水難事故でもっとも多いのは、沖に向かう潮流に流されることによるもの。海水浴場で溺れる事故の多くがこのケースです。いったん流されると、岸に向かって泳いでもどんどん沖へと流れていってしまい、徒労に終わります。あわてずに岸と平行に横に泳いで潮流を抜け出すか、潮流にのって流されたままになり、弱くなったところで横に逃れるかします。泳ぎに自信がない場合には、手を振って助けを求めましょう。

●感電事故
家の中の電化製品でも感電事故は起こります。2次感電をしないように、ますコンセントを抜くかブレーカーを落とします。厚手のゴム手袋を着用し、乾いた木で電腺を取り除いた後、安全を確かめてから患者を別の場所に移し、やけどや外傷の有無、呼吸や脈を調べ、症状に応じて適切に手当てをします。

●落雷事故
落雷から身を守るためには、雷鳴がしたら早めに屋内に退避することです。家の中では中央にいたほうが安全ですが、電灯の下は避けます。平地で遭遇したときには、金属製のものを体からすべて難し、地面に伏せてやり過ごします。自動車を運転していた場合は停車し、アンテナを引っ込め、窓を閉めて車の中にいましょう。




日本医療企画「ホスピタウン」より



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