●打撲
基本的には、軽い手足の打撲ならば、冷やして安静にしているだけで症状は緩和されます。しかし、転倒などによる打撲は手足ばかりでなく、頭部や腹部にも影響が及びます。頭を強く打ったとき、意識がない場合はもちろん、打った直後に少しでも意識を失ったり、目の周囲や鼻、耳から出血している、吐き気・嘔吐を訴える、意識が次第に遠のく、頭痛がだんだんひどくなる、などの場合には急いで救急車を要請します。意識がない場合には、救急車が来るまでファーストエイドを的確に行ってください。
腹部、胸部の強い打撲も同様に安静を守り、救急車を要請します。
●捻挫・脱臼
捻挫とは、関節の骨と骨をつないでいる靭帯が急激に伸びきってしまった状態のこと。脱臼とは、関節が正常な可動範囲を超えてズレたり、外れたりしている状態です。素人には区別が難しいので、応急手当では患部を安静にし、冷湿布をして、もっとも楽な姿勢のまま固定することがポイントです。痛み、腫れがひどい場合には、骨折を伴っていることがあるので、できるだけ早く専門医に診せましょう。
●骨折
出血がある場合はガーゼなどで止血をします。安静にして患部が動かないように固定します。骨折したままで不用意に歩いたり、引っ張ったりしてはいけません。骨が外に飛び出している場合には、そのまま清潔なガーゼを厚めに当て、副木をして固定します。応急手当をしたら、救急車を呼ぶか、専門医に運びます。
●アキレス腱断裂
サッカー、バレー、登山など、急激な運動をしたり、高所から飛び下りたりすると、足のかかとの後ろ側のアキレス腱が切れたり、裂けたりします。断裂すると、激痛とともに歩けなくなります。うつ伏せに寝かせて、足の甲を伸ばした状態でむこう脛から爪先までを副木で固定し、患部を冷やしたまま病院へ運びます。
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