私は、毎日3回の歯みがきは欠かさずに行っています。朝、昼、晩、いずれも食後に行い、夜の歯みがき後は何の食べ物も□にしません。しかし、むし歯は毎年のようにできてしまいます。毎日みがいているのになぜ?と不思議でしょうがありません。一方、あまり歯みがきをしない方でもむし歯になりにくい人がいるとか・・・。むし歯になりやすい人、なりにくい人はいるのでしょうか?それはどこが違うのでしょうか?
(24歳/女性)
A)バイオフィルムの除去、口腔内細菌のコントロールが大切
口の中には、全部で約300種類の口腔内常在菌が存在しています。人によって菌の種類や数に違いはありますが、特にむし歯菌と呼ばれるミュータンス菌がむし歯の発生に大きく関与しているのです。
私たちが日ごろ、歯みがきを丁寧に行ったとしても、歯ブラシだけでは全体の6〜7割程度しか、みがけていないという報告があります。そこで、歯ブラシの補助器具として、デンタルフロスや歯間ブラシ、または染め出し剤を用いることをお勧めします。しかし、歯の表面や歯周ポケットの中に常在菌の巣が残っている場合、バイオフィルムと呼ばれる汚れの膜が形成され、この中で細菌が酸を産生し、水素イオン濃度(pH)が、5.4以下になると歯の表面が脱灰を始めます。これが俗に言うむし歯の発生です。
毎日、朝、昼、晩の食後に3回の歯みがきを行い、歯みがき後は何も食べていないとのことですが、このバイオフィルムの除去、すなわち口腔内細菌のコントロールが出来ていなければ、むし歯が発生してしまう可能性が高いのです。治療法としては、歯科医院で通常行われている歯石除去やブラッシング指導のみではなく、最近ではPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・テゥース・クリーニング)と呼ばれる方法があります。この治療法は、歯の表面のバイオフィルムを除去することを目的としています。また、PCTC(プロフェッショナル・ケミカルニアゥーース・クリーニング)と呼ばれる治療法では、歯周ポケット内の細菌の数をコントロールすることを目的としています。
このような最新の治療をかかりつけの歯科医院で定期的に受けることが、むし歯を防ぎ歯周病を予防する近道でしょう。 |