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中高年女性40歳〜60歳
これまで何の問題もなく生活してきたのに、更年期を迎えたある日、突然、体に異常を感じる女性は多い。肌荒れや手足のむくみなど、女性ならではの症状も多いが、異常を感じた時に、「更年期だから仕方がない」と、自己判断をするのは危険。大きな病気の予兆である可能性も・・・。この年代特有の疾患を、まずは知っておこう。





■慢性甲状腺炎

女性に多く、家系的発生が見られる場合もあり、遺伝的素因が考えられる。また、自分の体の組織成分に対して抗体がつくられることで起こる自己免疫疾患も、原因の1つとして考えられている。主な症状は、倦怠感やむくみ、食欲不振、体重増加など。甲状腺機能の障害の度合いは、人によってさまざま。自覚症状がほとんどない場合も多く、特別な予防法もない。甲状腺機能の低下がみられる場合には甲状腺ホルモン補充療法を行う。機能低下が軽度で、自覚症状も軽い場合は、ホルモン補充は行わず、経過を観察する場合もある。



■更年期障害

生殖期と非生殖期の間の移行期である更年期は、卵巣機能が衰退し始め消失
する時期にあたる。その時期に、女性特有の体の働きを支配している卵胞ホルモンの分泌が急激に減少することで起こるのが更年期障害だ。早発症状では、動悸やめまい、冷え症、不眠、イライラ感など、遅発症状では、腰痛や肩こり、肥満、骨粗しょう症などが起きる。主な治療法は、ホルモン補充や漢方薬療法、食事療法、運動療法、精神神経科でのカウンセリング、薬物療法などが挙げられる。



■子宮筋腫

女性ホルモンの影響を受けることで、筋肉で構成されている子宮の筋肉細胞
が増加し、膜大化する病気。子宮の腫大化と同時にできるコブの場所によって、「しょう膜下筋腫」「筋層内筋腫」「粘膜下筋腫」「頸部筋腫」に分類される。このうち、粘膜下筋腫と頸部筋腫は手術対象となる。症状としては、動悸・息切れや貧血、腰痛、下腹部痛など。治療法には、子宮の機能を残しながら行う保存治療と手術がある。子宮全体が異常な大きさになった場合には手術が必要。



■肩関節周囲炎

40代以後に発生し、肩関節(肩甲上腕部)の痛みと運動障害を引き起こす。安静にしていても痛みは強く、夜間に激しいのが特徴。痛みは次第に腕に拡散し、動かすと必ず痛むようになり、肩関節の動きがかなり制限されてしまう。肩の機能を損なわないようにする保存療法が、原則的な治療法。3ヵ月間、急性期治療を行っても効果がない場合は、MRIや関節造影などの検査が必要となる。保存療法では鎮痛消炎剤の内服が中心で、湿布や軟膏、坐薬などが使用される。また、ステロイド剤と局麻剤の関節内注入なども鎮痛効果がある。



■胆石症

胆嚢や胆管に、結石ができる病気。胆嚢結石症、総胆管結石症、肝内結石症に分類される。原因は異なるが、治療法が大きく変わることはない。自覚症状のない人も多く、胆石をもっていることを知らずに一生を過ごす人もいる。もっとも多い自覚症状は、夜半から明け方にかけて起こる上腹部の強い痛み。また、細胞感染による発熱が見られる場合もある。治療では、薬物療法で石を溶かす結石溶解療法や、結石を超音波で粉砕する体外衝撃波胆石破砕療法、手術による摘出などが行われる。



■骨粗しょう症

骨量の減少と骨の微細構造の劣化という2つの特徴をもつ、全身性の骨の病気。骨が弱くなり、骨折の危険性が増加する。腰痛や背部痛などを伴うことも多いが、そのほとんどは骨折にもとづく痛み。治療では、骨塩量減少の予防が第一目標。適正なカルシウムとビタミンDの摂取指導を行い、年齢に適した運動を勧める。このような基礎的な療法で骨塩量が上がらない場合は、薬物療法を行う。バランスが良い食事や運動、日光浴が進行を防ぐ。



日本医療企画「ホスピタウン」より



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