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■主な細菌性食中毒とその対処策

食中毒は年間2万人以上の患者が発生していて、そのピークは6月から9月の夏場です。
食中毒の大部分は、食物の中に繁殖している細菌によるものです。細菌が食物とともに口から入り発病するものを感染型食中毒といっていますが、その主なものは次のとおりです。
★サルモネラ菌
食中毒の中で一番患者数の多い菌です。
卵に付きやすいのですが、熱に弱く、十分加熱すると菌は死んでしまいます。
★黄色ブドウ球菌
特に傷口や鼻、のどの奥につく毒素を持つ菌です。
加熱すれば菌自体は殺菌できますが、毒素自体は加熱によっても破壊することはできません。傷が化膿しているようなときは、食品に直接触れないよう+分注意して調理しましょう。
★腸炎ビブリオ
特に6〜9月に多い食中毒菌です。
魚介類に多く生息し、15℃以上になると活発に繁殖し、10分間で2倍にもなります。水でよく洗い、調理後はすぐに食べるようにしましょう。刺身を夏の室温に出したままにしておくのはもっとも危険です。
★ボツリヌス菌
空気が遮断された状態で増殖します。
毒素が出て死亡率が高い食中毒菌です。缶やレトルトパック、真空パックが異常に膨れたり悪臭がしたときは絶対に口にしてはいけません。



■食中毒を予防するためには・・・

たいていの菌は熱に弱いので、食品を煮たり焼いたりして食べれば心配ありませんが、時間が経つと菌がまた増えてしまうので、冷めた魚などは食べる前に再加熱するとよいでしょう。
調理や食事の前はもちろん、トイレの後、外から帰ってきたときも手をきちんと洗うように習慣づけましょう。
また、冷蔵庫を過信してはいけません。物をつめ過ぎたり、何度も開閉していると、菌が増えやすい温度になることもあります。食品は10℃以下で保存しましょう。



■食中毒にかかったときは!?

もし、疑わしい症状が出たときには、すぐ医師に診てもらいましょう。食中毒では、毒物を体外に排出することが必要なので、自己診断で下痢止め薬などを飲むとかえって危険です。
食中毒と診断されると、重症の場合は入院して治療を受けますが、軽症の場合は自宅療養になることもあります。その場合は、次のことに注意しましょう。

@保温に努める(特にお腹と手足)
A水分を補給する(ただし、冷水、果汁、炭酸飲料は避けること)
B食事はとらない(症状によってお粥、重湯など)

さらに家族は、患者の下痢便には手を触れないように気をつけましょう。



日本中をパニックに陥れた病原性大腸菌(O-157)

1996年夏、約1万名の感染者と7名の死者を出し、日本中をパニックに陥れた病原性大腸菌(O-157)感染症の中毒はまだ記憶に新しいところです。O-157とは、157番目に見つかったO抗原をもつ大腸菌という意味です。
その特徴は、大腸菌の出す毒素の中で、もっとも毒性の強いべ口毒素を産生すること。これは、赤痢菌が産生する毒素に似ていて、感染した人の血管に毒を及ばします。
感染源となるのは菌を保有する家畜あるいは患者・保育菌の糞便の中にある菌によって汚染された食品や水などで、感染経路は経口感染に限られています。感染力は大変強く、一般の食中毒の原因菌は10万個以上ないと発症しませんが、O-157の場合は100個前後で発症します。潜伏期間は4〜8日とほかの食中毒に比べて長く、発症すると腹痛・水様性の下痢を起こし、1〜2日後には血性下痢に変化します。悪化すると浮腫、乏尿、黄疸、けいれん、意識障害などをともない、死に至るケースもあります。
O-157は、ほかの食中毒菌と同様、熱に弱く、加熱と消毒剤により死滅します。したがって、その予防法も加熱と洗浄です。夏場は生ものに気をつけて、十分に熱を通し、食器や調理器具なども清潔に扱うことが大切です。




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