糖尿病は、進行すると網膜症・腎症・神経障害を引き起こし、脳卒中や虚血性心疾患などの心血管疾患の発症を促進します。
糖尿病の危険因子は、(1)加齢、(2)家族歴、(3)肥満、(4)身体活動の低下 (運動不足)、(5)血糖値の上昇のほか、高血圧や高脂血症などが挙げられます。現在の増加傾向がこのまま続くと、10年後の糖尿病有病者数は男性約520万人、女性約560万人で、合計1,080万人に上ることが推計されています。
糖尿病の初期は自覚症状がないため、気づかないうちに病状が進行してしまう怖さがあります。そして重症になると、数々の重大な合併症を引き起こし、血管や神経が侵されたり、失明したり、命を落としたりすることも少なくありません。
糖尿病は健康診断で見つかることが多い疾患です。定期検査で尿検査と血糖検査を受けましょう。血糖検査で異常が認められた場合には、ブドウ糖負荷試験を行います。 日本糖尿病学会では糖尿病の診断基準を以下のように示しています。
過食や運動不足が招く肥満は、すべての生活習慣病の原因ですが、糖尿病も例外ではありません。肥満になると、多くのエネルギーが必要になるので、ブドウ糖をエネルギーに変えるインスリンが常に多めに出し続けられます。そのうちにインスリンを分泌する膵臓は働きすぎの状態になり、疲労してあまり分泌しなくなり、慢性的なインスリン不足となります。 ストレスも直接的、間接的に糖尿病を引き起こします。ストレスを感じると、人間のからだは対応反応として脳下垂体などから、アドレナリンなどのさまざまなホルモンを分泌します。これらのホルモンは、インスリンの活性を低下させる働きがあり、血糖値を高くします。また、ストレスはその解消のために、暴飲暴食につながりやすく、これも糖尿病の間接的な原因になっています。