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■がんめリスクファクターって何?

がんの危険因子のうち、特に重要なものは喫煙と食物です。
喫煙量が多いほど肺がんを患うリスクも高まります。
食生活では、塩分のとり過ぎは高血圧、脳卒中などの危険因子となり、塩辛い食物のとり過ぎは胃がんの危険因子となります。動物性脂肪のとり過ぎは結腸がん、乳がんなどの危険因子となります。
また、過度の飲酒も□腔がん、咽頭がん、食道がん、肝臓がん、乳がんなどの危険因子となっています。緑黄色野菜の摂取度が高いほど、胃がん、腸がん、肺がん、子宮頚がんなど多くのがんのリスクを低下させます。

◆がんの自覚症状のポイント◆
●食道がん
食べたものがつかえる/食道に異物感がある/胸の真ん中あたりに圧迫感がある
●胃がん
胃もたれ、胃の痛み、胸やけが続く/急にやせた/便が黒っぽい
●肺がん
せき、たんが増えてきた/血たんが出る/片側の肩、肩甲骨が痛む
●乳がん
乳房にしこりがある/乳房の向きが左右で異なる/乳房の皮膚にひきつれがある
●肝臓がん
全身がだるい/吐き気/みぞおちや右上腹部が鈍く痛む/白目に黄疸が出る
●大腸がん
血便が出る/下痢と便秘を繰り返す/便が細くなった、出にくい
●子宮がん
月経と無関係に出血がある/おりものに血が混じる/腹痛や下腹部に痛みが続く



■がんの予防は生活習慣・行動の見直しと改善から

がんが発生するメカニズムはまだはっきりとはしていませんが、遺伝子の異常ががん細胞を発生させるのに大きく関与しているといわれています。
1個の細胞ががん細胞となり、やがて増殖して腫瘍をつくり、周辺の組織を破壊して全身に転移し、生命に危機を与えます。
がんが多く発生している家系では、がんにかかりやすい体質があると考えられますが、疫学的調査などの結果では、遺伝などの因子よりも、環境因子の影響が大きいといわれています。ふだんの生活習慣・行動を見直し、気になる症状を早期に見つけ
ることが大切です。


■がん検診による死亡率の減少効果と有効性

職場でのがん検診や人間ドックなどのがん検診による死亡率の減少効果・有効性は明らかです。
胃がん検診で40〜60%、子宮頚がん検診で80%程度、大腸がん検診で死亡率が60%程度減少しています。


がん予防15カ条

世界がん研究基金(WCRF)とアメリカがん研究財団(AICR)が1997年にまとめた「がん予防15ヵ条」では、食生活と生活習慣の改善により、がんの発生のリスクを30〜40%低下させることができると報告されています。

  1. 植物性食品を基本とし、多様な食物を食べる。
  2. 正常体重の維持。
  3. 連動の継続(1日1時間の速歩かそれに匹敵する運動)。
  4. 四季を通じて野菜・果物を豊富に(総エネルギーの7%以上を多種類の野菜、穀物で。量は1日あたり400〜800gを摂取)。
  5. 多種類の穀類、豆、根菜類をとる。
  6. アルコールの飲用はすすめられない。
  7. 赤みの肉は少なめに(1日80g以下、総エネルギーの10%まで。できれば肉のかわりに魚類を)。
  8. 総脂肪や油を抑える(動物性脂肪の摂取を総エネルギーの15〜30%以下に抑える。適当な植物油を控え目に使用する)。
  9. 食塩、塩蔵物を控える(1日の総食塩摂取量を成人6g以下に)。
  10. 食品の貯蔵はしっかり(腐りやすいものは冷凍か冷却を)。
  11. 食品は低温で保存する(すぐに食べないものは冷蔵庫に)。
  12. 食品添加物や残留農薬に注意。
  13. 黒こげのものは食べない。
  14. 栄養補助剤に頼らない(15ヵ条の勧告を守る人にとって、がんのリスクを低下させる補助食品などは不要とされる)。
  15. たばこは吸わない。



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