沖縄でも、長寿にかげりがみられるようです。沖縄では、男女ともにBMI25以上の方の割合が、全国一位とのことです。 肥満度は全国一ながら、女性は長寿全国一位を維持しています。よく働くことも知れれていますので、筋肉による肥満なのかもしれません。 メタボリックシンドロームの克服は、更年期障害にも有用です。 運動なしでもメタボは克服できます。
今日の私のお話は、炭水化物制限あるいは、糖質制限が keywordです。 できるだけわかりやすく、論理的に話ができればと思っています。
代謝、体内でのエネルギー消費ですが、 簡単にいってしまえば、エネルギー源は、ブドウ糖と脂肪酸です。
心臓でのエネルギー消費量は、調べても、200kcal/日との記載があるのですが、ほんとにそんなに少ないのかなとも思っています。 通常は、摂取カロリーと消費カロリーのみで、摂取カロリーが多ければ肥満 消費カロリーの方が多ければ、ダイエット成功と論じられていますが、 ここに大きな盲点があることを指摘したいと思います。
心臓のエネルギー源に注目しましょう ブドウ糖が利用できれば、心臓はブドウ糖をエネルギー源として使用するようです。 ブドウ糖が利用できないときに、初めて脂肪酸がエネルギー源として使用されるようです。 個人的な印象ですが、心臓で脂肪酸が燃焼されているときに、発汗するような気がしています。 次のスライドで、この辺りを証明してみます。
この画像は、癌の診断に使用するPET画像です。 ブドウ糖類似物質を投与して、その動きを見ているので、本質的には、ブドウ糖代謝イメージを提供してくれています。 私は元放射線科専門医ですので、なじみのある画像です。 向かって左の画像は、80歳男性のものですが、本来絶食で検査を受けてもらわなければならないのですが、炭水化物を食べた後に検査されているようです。 糖が利用できる状態にあるので、心筋に、FDG(ブドウ糖類似物質)が取り込まれ、利用されている様子が分かります。 向かって右の画像では、絶食状態で検査がなされており、ブドウ糖は、心臓では利用されず、十分な取り込みがみられません。 同じように心臓は動いている訳ですから、このとき、心臓は脂肪酸をエネルギー源としていることが推測できます。 その他の骨格筋などには、まったくFDGがとりこまれず、基礎代謝のエネルギー源として、やはり脂肪酸が利用されているものと推測できます。
心臓でのエネルギー消費を200kcalと仮定すると、1日にブドウ糖として、消費できるエネルギーは650Kcal/日にとどまることになります。 現代人は、体内でブドウ糖に分解される炭水化物を、どれだけ食べていますか? ほとんどの人が、過剰の糖質摂取状態にあることは、明白ではありませんか? 最初に申し上げましたように、過剰のブドウ糖は、肝臓で中性脂肪にかえられます。そして、血中を移動して、脂肪細胞に蓄積されやすい状態にあります。 この状態で、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、体脂肪が右肩上がりに増加するのは容易に想像できるでしょう。 糖質摂取量を、必要量以下に抑えれば、心臓では、脂肪酸が燃焼され、肝臓で中性脂肪が作られることは決して起こらないと思われます。 タンパク質を多く取れば、摂取カロリーが消費カロリーをたとえ上回っても、体脂肪は減少するはずであることに気づいてください。 つまり、ダイエット(体脂肪減少)の基本は、糖質摂取量を、脳と心臓での合計である最大消費量以下に抑えることであります。 ここでは、運動が必要ないことにも気づいてください。
人と野生のチンパンジーを比べてみましょう 野生のチンパンジーは、お米、パン、うどん、そば、おかし、甘い果物を食べることができません。
さらに付け加えれば、彼らは塩をほとんど摂取できないのです。 糖質と食塩の摂取量が決定的に違うのです。
過剰なブドウ糖の弊害はこの通り
ウエスト周囲径は、女性でもう少し低い値に変更されています。 いずれにしても、体脂肪が多いことが診断基準の一つです。 血圧上昇の元凶は、塩分過剰摂取と言われています。 糖質と塩分の過剰摂取により、メタボリックシンドロームの診断基準は満たされやすくなります。
炭水化物制限により身体に起こる変化の予測です。
ここにあるもの以外は原則口にしてはいけません。 (芋類は避けたいところです)
メタボリックシンドロームの診断基準の、肥満、中性脂肪高値、善玉コレステロール低値が見事に改善しています。
癌のえさと書いたところは、微生物のえさでもあるので、感染症になりやすくなることが予想されます。 慢性炎症というのは、膠原病などが含まれます。 肩こり、頭痛もです。 神経障害は、自律神経失調症、うつ病などが含まれると考えてください。
55種類の体にいいとされる食材を使用 フリーズドドライにて、作成
5分後に12上昇。 その後60分頃まで、変化なく。 その後は緩やかに低下。
糖尿病患者、正常者を問わず、血糖値が食後に上昇していません。
血糖値を上昇させない食事は可能なのです。
野生動物は食後血糖値があまり上昇していないと推測できます。
糖負荷試験では、糖尿病患者のピークは2時間後
糖質だけではなくタンパク質、脂質を含んだ、より実際の食事に近い検査食であるテストミールを使用しますと、 糖尿病患者の血糖値のピークは1時間のところにあります。
じっさいの食事では、このように血糖値は上昇します。
血糖値の変化がないことを改めて理解してください。
男性9人、女性7人 平均年齢40歳 3食のうち1食を低GI食に置き換えてもらいました。 ピンク色は、統計学的に優位な差があった項目 ダイエットに有効であることが証明されています。
この症例は、とてもいい経過なのですが、糖質制限により、糖尿病の改善と肺癌の自然治癒が得られました。 現在2010年は、胸部写真で腫瘍は2.5cm*3.0cm大のものが直径1cmぐらいの腫瘤に縮小しています。
両側肺野に多発性の転移病巣が、あります。 5年経ちましたが、少しずつ増大していますが、患者さんは、痛みもなく、普通に生活できています。
非常に理解のいい患者さんです。 カロリー制限していたつもりとのことでしたが、糖質制限で見事に糖尿病が克服されています
初診時は、どんな治療にも抵抗して、非常に進行した悪性リウマチ患者さんでした。 3年経ちましたが、血液検査データ臨床症状ともに、緩やかに改善してきています。 しかし、普通の生活というわけにはいかない状態なので、最新のリウマチ治療を受けるように薦めています。
6年以上立ちました。当初上昇気味であった腫瘍マーカーは、炭水化物の徹底した制限とともに横ばいとなっています。 最近になって上昇していた値も再度下がっていますが、カボチャを食べていたのを止めたことが良い結果につながっているのかもしれません。
腫瘍マーカーは横ばいでしたが、右肩甲骨の骨転移巣は増大していました。 腫瘍とのの戦いはなかなか一筋縄ではいかないものです。 このかたは、炭水化物制限はあまりできていませんでした。炭水化物制限をしていても結果は同じかもしれませんが・・・。
最終目標は、健康長寿です。 炭水化物制限、塩分の摂り過ぎを控えることが思いのほかいい結果をもたらすかもしれないという風に感じていただければ幸いです。