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男性も女性もある程度の年齢になると髪の毛の悩みを抱える人が増えます。髪が薄くなるのと同じくらい悩ましいのが白髪。
考えただけでも老け込みそうです。ここでは白髪の原因や予防法などを見ていきます。



●白髪対策

●白髪染めの上手な選び方
白髪が増えて気になりはじめたら、白髪染めを上手に利用したいものです。最近ではいろいろなタイプの商品が店頭に並んでいます。またインターネット通販でも手に入れることができます。しかし、それらのなかには劇物指定されている酢酸鉛が入った外国製の商品なども含まれ、健康被害が出ているケースもあるようなので、成分表示などで安全性を確認したうえで慎重に選びましょう。
最近話題の染毛料が「ヘナ」。ヘアサロンでも使われている、ヘナという植物の葉を加工した天然成分のヘアカラーです。従来の化学薬品を材料にした製品に比べて、髪が傷まず、皮膚もかぶれないのが魅力です。ただし、染めたあと1週間くらいは枕に色がつくことは覚悟したほうが良さそうです。


●白髪染めの上手な使い方
髪の毛は、メデュラと呼ばれる芯の周りにコルテックスというタンパク質があり、その外側をキューテイクルという薄い膜が覆っています。白髪染めのアイテムは、その染料が毛髪のどの部分まで浸透するかによってタイプ分けをすることができます。大まかに分類すると、ヘアカラーはコルテックスまで、ヘアマニキュアはキューテイクルとコルテックスの一部、ヘアマスカラはキューテイクルの表面のみということになるでしょう。
ただし、よく染まって長持ちするタイプが最良とはいえません。髪の毛へのダメージは染料の浸透度に比例するからです。白髪が目立つようになったらまずヘアカラーで全体を染めます。少し伸びてきて根元の白髪が目立つときは、その部分のみヘアカラーで。そのうち毛先と根元の色の違いが出てきたら全体をヘアマニキュアで染め直すと良いでしょう。急に来客があったり外出しなければならなくなったときは、簡単に染められるヘアマスカラを使うと便利です。白髪染めは、ケースバイケースで上手に使い分けましょう。




●白髪発生のメカニズムから原因と予防策を探ろう

白髪の予防剤が開発される日もそう遠いことではないかもしれません。しかし、それまで白髪はおとなしく待っていてはくれません。
そこで、現時点でわかっている白髪発生のメカニズムとその原因を知って、最良の対策を講じるためのヒントを探りたいと思います。
髪の毛は、頭皮内の毛包と呼ばれる場所で毛母細胞によって作られますが、その成長過程でメラニン色素が毛髪内に取り込まれることによって色がつきます。白髪になる主な原因は、メラノサイトがこのメラニン色素を作り出せなくなるためです。
このほか、メラノサイト自体が消失してしまうことも一因として考えられます。髪の毛には、成長期、退行期、休止期というライフサイクルがあり、休止期に毛が抜けるとき、メラノサイトも一緒に失われます。通常は次の髪の毛が生えるときにメラノサイトは再び現れますが、なんらかの理由で消失したままというケースが生じるのです。
メラノサイトが消失したまま再生されない要因としては、遺伝、加齢、生活環境・習慣、ストレス、病気などが考えられます。食事をはじめとする生活習慣を改善し、ストレスがたまらないよう気をつければ、白髪の進行を少しは遅らせることができるかもしれません。
髪の健康に欠かせない栄養素は、タンパク質、ミネラル、ビタミン類。なかでもカルシウム、銅、亜鉛などのミネラルが白髪予防に有効だといわれています。




●諦めるのはまだ早い?白髪研究に一条の光明

白髪は一般的に遺伝的要因が強いとされていますが、その原因やメカニズムはいまだ解明されていないのが現実です。しかし、ここ何年かで研究が進み、その成果が出始めているという頼しいニュースも耳にするようになりました。なかでも2002年は、白髪に悩む人に朗報をもたらした年といえるでしょう。
まず2005年3月、花王は、白髪の発生に特定遺伝子の量が関係していることを確認したと発表しました。一般的な老人性の白髪は根元にある毛球部でメラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞が減少したり、消滅するために発生するといわれます。
花王の研究グループによると、毛球部のタンパク質FGF(繊維芽細胞増殖因子)には、メラノサイトを増やし、毛髪細胞のアポトーシス(自然死)を抑制する働きがあることが判明。FGFを作る遺伝子の量が減るとこのタンパク質の機能が低下するため、白髪が生えるというわけです。
次いで4月には、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターの西川伸一教授らのグループが、髪の毛を発色させる色素幹細胞が毛根部のバルジと呼ばれる場所に存在することを突き止めたという報告がありました。さらに研究を続けてこれらの機能を解明できれば、白髪を予防したり、黒髪に戻すことができるかもしれないということです。






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