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急成長を続けるサプリメント市場こおいて、ここ数年注目されているのが「抗ガンサプリ」。その代表がアガリスクなどのきのこ類です。
ここではきのこの成分がどのように健康に役立つかを見ていきましょう。



●栄養バランス抜群のきのこの成分と効能

きのこの主な成分は、水分、ビタミン類、ミネラル、食物繊維、そして最近注目を集めているBグルカン。カルシウムやリンなどのミネラルと植物繊維が豊富なきのこは、便秘を予防しながら健康的にダイエットができる食品としても人気です。
きのこに含まれる主なビタミン類はビタミンB1・B2・Dとナイアシン(別名ニコチン酸)。ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出すときに必要で、疲労回復に役立ちます。ビタミンB2は糖質、脂質、タンパク質の代謝を促し、肌荒れや疲れ目などを防ぎます。ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を助け、歯や骨を丈夫にするので骨粗鬆症の予防に有効。ナイアシンは糖質、脂質の代謝を活発にし、胃腸などの消化器官を正常に保つ働きがあります。
また、抗腫瘍効果があると注目されている多糖類のBグルカンは、免疫活性を高める働きがあるため、ガンの予防にも効果を発揮するといわれています。シイタケやカワラタケ、スエヒロタケから抽出されたBグルカンは、免疫力を高める医薬品として実際に使われているようです。
アガリクスをはじめとする薬用きのこの粉末やエキスを使ったサブリメントは、抗ガン作用があるという報告を受けて、健康食品市増で一大ブームにもなりました。
しかし、これらサプリメントに関しては、効能にのみスポットライトが当てられ、副作用などのマイナス面は置き去りにされたままなのが現状です。購入する際は、キャッチコピーに惑わされず慎重に選びたいものです。


●”抗ガンサプリ”摂取の注意点
サプリメントは医薬品ではなく健康補助食品であるため、安全性が問題にされることが少ないのが現状です。それだけに私たち消費者がその利用に慎重になることが望まれます。
たとえば、アガリクスなどの成分であるBグルカンを抽出して作られた健康補助食品で、いわゆる”抗ガンサプリ”と呼ばれるもの。たしかに、細胞や動物を使った実験のレベルでは、Bグルカンの免疫増殖作用は証明され、抗腫瘍効果の報告も多数出されています。しかし、人間が口から摂取した場合の臨床実験での効果が認められたケースはいまだゼロというのが実情なのです。
国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報などのデータをチェックして、正しい情報を元に冷静に判断することが大切です。




●自然が生んだ山の幸。きのこの種類と特徴

気候が温暖多湿の日本はきのこの成長に最適の環境で、その数は数千種類にものぽります。分類が不明なものも多いようですが、大まかに食用きのこ、薬用きのこ、毒きのこの3つに分類されます。
きのこ狩りのシーズンになると、中毒が発生してニュースになります。毒きのこの種類は、ドクツルタケのように死に至る危険性を伴うものや、テングタケのように精神錯乱を引き起こすものなどさまぎまです。きのこを見つけた場合は、その安全性が明らかになるまでは安易に口にしないよう気をつけましょう。
一方、マイタケやシイタケ、エノキタケなどの食用きのこは、日本の食卓に欠かせないもの。昔から優れた栄養バランスをもつ低カロリー食品として注目されてきました。最近ではきのこの研究も進み、健康の維持・促進に有効な成分に関心が寄せられています。
また、ここ数年は、アガリクス(ヒメマツタケ)、メシマコプなどの薬用きのこの機能性成分が注目され、これらを原料にした健康食品の研究・開発が盛んに行われているようです。


●食用・薬用きのこの主な種類と効用
種類 特徴・主な含有成分 効能・副作用など(俗説)




エノキタケ Bグルカン、ビタミンB群、食物繊維、糖タンパク質 免疫賦活作用、抗腫瘍作用があるとされる。エノキタケを多く摂っている過程ではガンによる死亡率が低いという報告もある。
シイタケ ビタミンB群、ミネラル、食物繊維、Bグルカン、エルゴステロール(ビタミンDの前駆体) 免疫賦活、抗酸化、抗コレステロール、抗腫瘍作用、血小板の凝集を抑制する作用などが期待されている。また骨の発育を促進したり血圧を下げる働きがあるといわれる。アレルギー体質の場合、好酸球増加症などを引き起こす危険がある。
マイタケ Bグルカン、エルゴステロール、リン脂質 中性脂肪を減らす、抗腫瘍活性を示しガンを予防するといわれる。粉末がエイズ(後天性免疫不全症候群)の症状を軽減するという報告もある。
シャンピニオン
(マッシュルーム)
タンパク質、ビタミンB1・B2、ナイアシン、カリウム、エルゴステロール 腸内の細菌バランスを保つ働きがあり、体臭・口臭を改善し、慢性腎不全の進行を抑えるといわれる。抗酸化、抗腫瘍作用も期待される。
ヤマブシタケ エリナシン類、ヘリセノン類 免疫賦活作用、抗腫瘍作用があるといわれる。神経成長因子の合成を促進する作用が注目されており、脳血管障害、アルツハイマーなどの治療に期待が寄せられている。





アガリクス
(ヒメマツタケ)
Bグルカン、ビタミンB2・D、マグネシウム、カリウム、エルゴステロール、タンパク質 抗腫瘍および免疫賦活作用、抗酸化作用があるといわれる。免疫力を高めることで、抗ガン効果や、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の予防・改善効果が期待されている。
メシマコブ アガリチン酸 抗腫瘍および免疫賦活作用、抗酸化作用があり、免疫力を高めてガンや生活習慣病を予防するといわれる。漢方では止汗・利尿作用が注目されている。大量に摂取すると嘔吐や下痢を引き起こすことがある。
麗芝
(マンネンタケ)
トリテルペノイド、Bグルカン 抗酸化作用、抗腫瘍作用があるといわれる。血小板減少症の人、血圧低下作用のある薬を飲んでいる人は要注意。






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