快眠の基本である正しい寝姿勢は、理想的な枕と敷き寝具を得てはじめて得られるものです。では、それぞれベストなものを選ぶためのポイントをあげてみましょう。
■枕
枕は、まず首や肩に余計な負担がかからない高さであることが大切です。枕が高すぎると頸部の筋肉の緊張を招き、寝返りを打ったときに寝違いを起こすこともあるし、いぴきの原因にもなります。反対に枕が低すぎると、眠りが浅くなる傾向が見られます。
枕の高さは3〜4センチが理想とされているようですが、敷き寝具や体型によって個人差があるので、できればアドバイザーがいるお店で助言を仰ぎたいものです。オーダーメイドの枕をつくってくれるところもあるので、睡眠に問題を抱えている人は一度試してみると良いでしょう。
このはか、寝返りがスムーズにできるよう、少なくとも肩幅以上の幅が必要。枕の中身が均等で偏りがないことも大切です。さらに就寝中は頭もかなり汗をかくので、通気性の良い素材の製品を選びましょう。
■敷き寝具
敷き寝具の役目は、就寝中の力の抜けた体を支えて、正しい寝姿勢を保てるよう補助すること。ベッドの場合も布団の場合も、一番大切なのは、体に合った適度な硬さのマットレスや敷き布団を選ぶことです。
仰向けに寝た状態で最も沈むのはお尻と胸の部分ですが、敷き寝具が柔らかすぎると、胸とお尻が落ち込んで、頭、胴、足が持ち上がった状態になり、背中のラインがW字になってしまいます。この姿勢では腰に負担がかかりすぎるため、腰痛を招く原因になるのです。
敷き寝具の適度な硬さは寝返りのためにも必要です。これは、寝返りによって、圧迫されていた体の部分の血液循環が良くなり、自然とマッサージ効果が生まれているからです。
敷き寝具が柔らかすぎると、体が圧迫を感じないので、寝返りの回数が減ってしまいます。−方硬すぎる、寝返りの回教が多くなりすぎて眠りが浅くなったり、接触部位が必要以上に圧迫されて血行不良を起こしたり、発汗が妨げられる場合もあります。
硬さ以外の快眠の必須条件といえば、心地よい眠りに誘い、目が先めるまで快適さが続く素材でしょう。私たちは、夏だけでなく冬も寝ているあいだにかなりの汗をかいています。そのため、寝具の温度と湿度がベストに調整されなければ不快感から寝苦しさを覚えます。
快適な睡眠のためには、保温性、吸湿性、透湿性を兼ね備えた素材を選びたいものです。ウールは化学繊維に比べて保温性に優れていますが、へたりやすいのが難点。最近では、ジャコウ牛やキャメルなどの天然素材が注目されているようです。
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