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頭痛が起きても、我慢するか、市販の鎮痛剤を飲んで痛みを紛らしてしまう人がほとんどでしょう。
でも、頭痛を侮るのは危険です。ここでは、慢性頭痛のセルフケアと、病気が原図で起こる頭痛について紹介します。



●頭痛はどうして起こるのか

残念なことに、私たちを悩ます頭痛のメカニズムは、いまだ解明されておらず、研究途上の段階にあります。そういう状況のなかで、一般的にいわれているのが、脳になんらかの異常が起きたときに、脳を覆っている髄膜(硬膜、クモ膜、軟膜)や脳の血管に刺激が生じ、この刺激が大脳皮質に伝わって痛みを感じるというものです。



●頭痛にはどんなタイプがあるのか

頭痛の分類の仕方もいろいろです。私たちに最も馴染みがある分け方は、慢性か急性かでしょう。慢性の頭痛は、機能性頭痛などと呼ばれ、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛に分かれます。一方急性の頭痛は、症状性頭痛などと呼ばれるタイプのなかで、脳の病気が原因で起こるものを指すようです。急性の頭痛は命にかかわるケースが多々あるので、病気が疑われる場合は、すぐに病院へ行きましょう。



●慢性の頭痛の症状・誘因・対策

■症状
片頭痛は、女性に多く、ズキンズキンという激しい痛みが周期的に起こり、数時間以上続くのが特徴です。吐き気や嘔吐を伴うケースもあり、ひどくなると生活に支障をきたすことも。片頭痛が起こる前は、イライラしたり、体がむくんだり、目の前にキラキラした光が現れることもあるようです。
緊張型頭蒲は、頭が縮めつけられるような痛みで、中高年に多いのが特徴です。片頭痛ほど激しい痛みではありませんが、毎日のように頭痛に見舞われる人も。めまいや疲労感に襲われることもあります。
群発頭痛は、圧倒的に男性に多く、片方の日の奥に我慢できないほどの激痛が走るのが特徴。痛みは周期的に訪れ、ある期間毎日のように痛みますが、それが過ぎると自然に治まります。痛むほうの目が充血したり、涙が出たりする場合もあります。

■誘因
緊張型頭痛は、肩こりとストレスが2大誘因だといわれます。職場での対人関係や仕事のトラブルなどによる精神的なストレスのほかに、パソコンの前に長時間座り続けるなど、身体的なストレスも引き金になるようです。
これらの2大要素は片頭痛にも当てはまりますが、片頭痛の場合、実際はこれと特定できる誘因はありません。寝過ぎ・寝不足や空腹、光や騒音、お酒の飲み過ぎのほか、気侯によって起こる人もいます。
群発頭痛の誘因ははっきりわかっていませんが、発症する期間にお酒を飲むと必ず頭痛が起こるといわれています。また、血管拡張剤も誘因として考えられています。

■対策
片頭痛と緊張型頭痛は、まず睡眠時間を確保し、体も心もリラックスできる環境をつくることが大切です。肩こりにはストレッチやマッサージが有効。ストレスタイプの頭痛には鎮痛剤が効かないので、予防を心がけましょう。
片頭痛の場合は、寝不足だけでなく寝過ぎも要注意。お酒を飲み過ぎないことも大切です。騒音や強い光を避け、片頭痛が起こったら、静かな部屋を薄暗くして休みましょう。
群発頭痛は、発症期間中禁酒することが、今のところ唯一の自己防衛策といえるでしょう。



●急性の頭痛を引き起こす主な病気


クモ膜下出血

脳の血管内の脳動脈瘤が破裂し、クモ膜と軟膜の間に出血を生じる過程で、クモ膜が刺激されて激痛が起こります。出血がひどい場合はそのまま意識を失ってしまい、一刻を争う状態にあります。一方出血が少ないケースは、痛みに加えて軽い吐き気をもよおす程度。実は、これが大量出血の前兆であることが多いのですが、見逃されがちなのが現実です。片頭痛にも予兆があるケースがあるので、見分けが難しいかもしれませんが、いつもと違う”突然のの激痛”に見舞われたら病院へ。

脳腫瘍

脳にできた腫瘍が血管を刺激して頭痛が起きると考えられています。何週間も頭痛が続き、その程度がどんどんひどくなるようなら要注意。ただし、人によって痛む部位も状況も違うので、頭痛だけで判断するのは非常に難しいようです。
脳腫瘍には、頭痛のほかに特徴的な症状があります。たとえば、手足が麻痺したり、けいれんが起こる、ものがぶれて見えるなどの症状が一緒に現れたら、脳腫瘍の疑いがあります。

慢性硬膜下血腫

頭部の打撲が原因で、しだいに脳の硬膜下に血液が溜まっていき、脳を圧迫している状態をいいます。打撲から1カ月以上経って頭痛や嘔吐などの症状が現れるのが特鞍です。
この病気の頭痛には特徴がないので、他の症状を観察する必要があります。進行すると、手足の片麻痺や言語障害をきたし、尿失禁などを伴うケースもあります。

脳出血(脳溢血)

脳が動脈硬化を起こすと、細い動脈に小動脈瘤ができます。この状態で急激に血圧が上昇すると、小動脈瘤が破裂して脳出血が起こります。中高年の高血圧の人に多いのが特徴です。
脳出血後数分から数時間で、頭痛、吐き気などの症状が現れます。また、言語障害や出血箇所と反対側の顔や手足に麻痺の症状が出る場合もあります。

髄膜炎 髄膜が細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気で、幼児から高齢者まで年齢に関係なく発症します。
頭痛とともに、発熱、嘔吐など風邪と似た症状が現れます。2、3日経っても良くならず、38℃以上の高熱が出て、頭がガンガンするような痛みを伴う場合は、髄膜炎を疑いましょう。症状が進行すると、意識障害が見られるようになります。



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