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生理中の痛みや不快感は、人によって程度もさまぎま。
婦人病のサインや、鎮痛剤の正しい活用法、痛みをやわらげるセルフケアを知って、毎月の生理痛とできるだけ上手につきあっていきましょう。



●自分に合う鎮痛剤を見つけよう

生理痛がつらいときは、あまり我慢せず、市販の鎮痛剤を使いましょう。用法・用量さえ守っていれば、生理期間の2〜3日なら続けて飲んでも副作用や生殖器への悪影響などの心配はありません。
生理痛の薬には、プロスタグランジンの生成を抑えるイブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンなどの成分が配合されています。ただし市販薬の成分は、メーカーによって微妙に配合が違うので、効き目にも個人差が出ます。日頃から自分と相性の良い薬を見つけて常備しておきましょう。

●鎮痛剤服用の3つのポイント
Point1 早めに服用する
生理痛に耐えていると、そのストレスで子宮の収縮を促すプロスタグランジンがさらに分泌されて悪循環。痛みがひどくなってからでは効きにくくなるので、痛みを覚えたら早めに服用を。

Point2 空腹時に飲まない
空腹で鎮痛剤を飲むと胃の粘膜を荒らす可能性があるので、必ず食後に服用しましょう。もし食事ができないときは、水を多めに飲むなどの対処を。

Point3 用法・用量を守る
用法・用量を守って服用するのが大原則。痛みが治まらないからと、勝手に服用量を増やしたり、別の鎮痛剤と併用するのは危険なのでやめましょう。



●生理痛の予防・軽減セルフケア

生理痛の一因は血行不良にあるので、夏場の冷房は大敵。生理中は夏でも薄着をせず、半身浴をするなど下半身を冷やさない工夫を。血液循環を促す足腰のストレッチやマッサージなどの軽いエクササイズは痛みの緩和に役立つうえ、鎮痛作用のあるβエンドルフィンが血中に増えてリラックス効果も期待できます。
また、血管の弾力を高めて骨盤内の血行をよくするビタミンEや、貧血予防のための鉄分、さらにビタミンEや鉄分の吸収を促すビタミンCの補給も大切です。生理痛にはメンタル面の要因も否めないので、神経機能を正常に保つビタミンB1も積極的に摂取を。生理痛による食欲不振時は、サプリメントなどで補いましょう。

●生理痛を軽滅させるエクササイズ
*座り姿勢で足腰ストレッチ
仕事などで長時間、前かがみで腰掛けていると、胸や下腹部が圧迫されるので、生理中の吐き気を強める要因に。時折、深呼吸をして酸素を取り入れつつ、腰の伸縮ストレッチを。
*寝たまま運動
仰向けの姿勢で、両足を曲げ、息を吐きながら股関節や腰椎をゆっくりとゆるめます。体重を支えている両足を自由にすることで、生理痛をやわらげます。

●生理中にぜひ摂りたい栄養素
ビタミンE/血液循環の促進 アーモンド、ピーナッツなどのナッツ類、うなぎ、緑黄色野菜など
鉄分/生理中の貧血予防 ひじき、ほうれん草、小松菜、あさり、レバーなど
ビタミンC/鉄分やビタミンEの吸収補助&肌荒れ予防 ブロッコリー、ピーマン、小松菜、ほうれん草、オレンジ、イチゴなど
ビタミンB1/疲労回復&神経機能の正常化 豚肉、玄米、豆腐、納豆、ゴマなど
ビタミンB12/造血作用 レバー、さんま、いわし、あさり、牡蠣、卵、チーズなど



●ひどい生理痛は婦人病の危険信号?

生理中の腹痛、頭痛や吐き気などの不快感は大多数の女性が体験しているはずですが、寝込んでしまうなど日常生活に著しい支障をきたす症状を「月経困難症」と呼びます。
この症状には、経血を押し出す際に子宮の収縮が強すぎたり、子宮口が狭すぎて経血がスムーズに排出できないなど、さまぎまな原因があります。ストレス性の月経困難症は出産経験のない10〜20代の女性に比較的多く見られますが、30代以上になると「子宮内膜症」や「子宮筋腫」などの婦人病が原因のことも。最近は20代の子宮内膜症も増えているので、生理痛や経血量がひどくなるなどの自覚症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

●月経困難症と婦人病の因果関係
*子宮内膜症
卵巣や腹膜、S状結腸など子宮以外の近辺に、子宮内膜と同じ組織ができる病気。不妊症を招く最大の原因のひとつ。
【子宮内膜症ノサイン】
*生理痛がだんだんひとくなる
*生理日以外にも腰痛や下腹部痛がある
*生理中に血便が出ることがある
*排便時に痛みがある
*性交時に膣の奥が痛む

*子宮筋腫
子宮にできる良性の腫瘍。ホルモンの作用で筋腫が肥大化すると、膀胱炎や直腸を圧迫するなど周辺臓器にも悪影響を及ぽす。
【子宮筋腫のサイン】
*生理時に経血が出にくくなり痛みが生じる
*生理時の経血量が増える
*頻尿や便秘がある



●生理に伴う疼痛と不快症状の原因

生理は子宮内膜がはがれ落ちる現象で、生理期間はいわば体の大掃除の時期といえます。このときに分泌されるプロスタグランジンにより、子宮筋の異常収縮や子宮血液量の減少、虚血などを引き起こし、下腹の疼痛などの生理痛(月経痛)が生じます。プロスタグランジンは腸のぜん動運動を活発化する作用もあるため、生理中は下痢ぎみになる人も少なくありません。
また、生理が始まると、生理前の黄体期に増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)が急激に減って血行不良になるため、足腰が冷えて痛みが増し、さらに乾燥肌などの肌トラブルも起こりやすくなります。




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