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ちょっとした体調不良でもすぐに最新医療設備の整った大病院に行く人が多い昨今。
待ち時間が長い大病院より、地域の「かかりつけ医」にまず相談するほうが健康管理上のメリットが多いことをご存知ですか?



●良いかかりつけ医を見つけるコツ

子どもの頃から家族ぐるみで診察してくれるかかりつけ医がいればベストですが、引っ越し先など慣れない土地で新たにかかりつけ医を見つけるのは意外と難しいもの。いぎというときのために、日頃から周囲の評判をよく聞いておくようにしましょう。
信頼できる医師は、基本的に問診、触診、視診、聴診に手を抜かないもの。患者を一べつしただけで、体にも触れないような医師は信用するには値しません。また、やみくもに薬を処方するのではなく、十分なインフォームドコンセントに基づき、個々の患者に合わせた最小限の薬を処方してくれることも重要。小児科医の場合は、夜間診療に対応してくれるか否かもポイントになります。

●「かかりつけ医」を見つけるためのチェックポイント
風邪などで受診するときは、信頼できるかかりつけ医を見極める良い機会。受診時に下記のポイントをチェックしてみましょう。
・問診の際、患者の顔を見て話をよく聞く
・体に触れ、痛むところを聞く
・聴診器を胸と背中に当てて呼吸音を確かめる
・喉や舌、目の状態などをよく診る
・舌の周りのリンパ節に触れる
・症状の発端や変化など、数カ月さかのぼって細かく確認する
・食欲、下痢、便秘、尿について尋ねる
・患者の生活習慣やアレルギーの有無などを確認し、必要最小限の薬を処方する
・薬の効果だけでなく、副作用についても説明する
・症状が悪化したり、回復しない場合の再受診も指示する
・症状が良くならずに再受診した際、他の疾患の可飴性を説明し、必要な検査をしたり、専門医療機関を紹介する
・診察券に夜間連絡先が書いてある
・予防接種前には、効果と副作用、危険性を説明する

●かかりつけ医リストを作ろう
かかりつけ医といっても、内科や小児科に限らず、持病によって耳鼻科や眼科、歯科、皮膚科、整形外科、産婦人科など、診療科目はさまさま。
それぞれのかかりつけ医の名前や連絡先、診療時間、休診日などを診療科目別・家族別にリスト化して手帳などにはさんでおいたり、目につくところに貼っておけぱ安心です。

●かかりつけ医に頼りすぎない
かかりつけ医をもつということは、健康維持という観点からも非常に大切なことですが、診療方針にどうしても納得できない場合は、セカンドオピニオン(かかりつけ医以外の意見)も視野に入れましょう。それには、かかりつけ医に何もかも任せきりにするのではなく、病歴や処方された薬について、日頃から自分なりに把握しておくことが大切です。



●なぜ「かかりつけ医」が大切なのか

「かかりつけ医」とは、自分や家族の健康や病気、介護について気軽に相談でき、親身に診てくれる身近な医師のこと。独り暮らしで体に変調をきたしたときや、家族が急に熱を出したときなど、近所に頼れるかかりつけ医がいると心強いものです。
また、日頃から自分や家族の健康状態や病歴・薬歴・アレルギーの有無などを総合的に把握しているので、体の少しの変調も見逃さず重大な病気の早期発見につながりやすいという利点が。もちろん、日常的な健康管理の上でも大切な存在です。

●「かかりつけ医」の役割とメリット
1)初期医療
患者の病歴や既往歴、家族の病歴、アレルギーなど健康状態を総合的に踏まえた診断が可能。
2)健康相談
大病院で受診するほどではない健康上の些細な心配ごとでも気軽に相談できるため、重病の早期発見が可能。
3)保健指導
生活習慣病の問題点の指摘や改善策の提案など、身近な医師ならではのきめ細かな指導が可能。疾病を予防でき、より健康的な生活が送れる。
4)在宅医療
往診により、在宅療養の患者の健康状態も把握できるため、患者も心強い。要介護認定における的確な意見書も作成してくれる。
5)専門医療機関の紹介
持病や事故による突然の体の異変などの緊急事態に対処できるよう、地域の病院と連携。より専門的な検査が必要な場合は適切な医療機関を紹介してくれるので安心。

●要介護認定の重要な鍵を握る「かかりつけ医の意見書」
要介護認定には、訪問調査によるコンピュータの一次判定に、かかりつけ医の意見書を加え、その両方を介護認定審査会にかけ、最終の二次判定が行われます。
もし、かかりつけ医がいない場合は、市区町村指定の医師が意見書を書いてくれますが、初診だけで詳しい意見書を作成するには限度があります。より的確な意見書を書いてもらうためには、日頃からかかりつけ医に診てもらっていることが大切なのです。高齢者やその家族は、老人医療・介護や痴呆に理解のあるかかりつけ医をもちたいものです。



●風邪をひいたら大病院?それとも医院かクリニック?

軽い風邪でも大規模な病院に行く人が増えていますが、2時間待って診察時間は10分足らず・・・などということも少なくありません。待ち時間や費用の負担を考慮すると、風邪程度なら、身近な医院やクリニックに行くほうが合理的といえます。
最近では、症状が軽い患者には大病院から地域の医院を紹介するケースも。もし、より専門的な検査や治療が必要な場合は、医院や診療所でも適切な医療機関を紹介してくれるので、初期医療は大病院ではなく、まずは身近な「かかりつけ医」に診てもらう習慣をつけましょう。

●病院と医院の違いとは?
通常、ベッド数が20床以上は病院、19床以下で入院設備がないところは医院(クリニック・診療所)と区分される。大学病院や総合病院など、ベッド数が200床以上の病院では、紹介状もなく初診すると、通常の診察料のほかに数千円の特定療養費(病院により金額は異なる)が必要。




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