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テレビや雑誌で取り上げられ、「お腹周りが85cm以上あったら危ないらしいよ」と、世の男性陣を震えあがらせたメタポリックシンドローム。
もちろん女性も要注意です。では、その正体を見ていきましょう。



●メタボリックシンドロームとは?

糖尿病、高血圧、高脂血症など、中高年がかかりやすい生活習慣病を重複して発症すると、動脈硬化を引き起こす危険が高まることがわかってきました。この生活習慣病の主な原因のひとつが肥満で、脂肪がつく部位によって2タイプに分かれます。下腹部やおしりにつくタイプが「皮下脂肪型(洋ナシ型)肥満」、内臓の周囲につくタイプが「内臓脂肪型(リンゴ型)肥満」。このうち内臓脂肪型肥満によってさまざまな病気が発症しやすくなった状態が「メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」です。


●メタボリックシンドロームの現状
1)中高年男性の2人に1人、女性の5人に1人が黄信号2006年(平成18年)5月8日、厚生労働省は、「平成16年国民健康・栄養調査結果」を発表しました。それによると、メタポリックシンドロームにかかっている人およぴ予備軍は40歳以上で特に多く、40〜74歳における推定人数は、その飛び郡も含めると約1960万人。この年齢層の男性の2人に1人、女性の5人に1人という結果も出ています。併せて、お腹周りが男性で85cm以上、女性で90cm以上の人は、血中脂質、血圧、血糖のいずれかのリスクを2つ以上もっている割合が高いともいっています。
2)40歳以上が受ける健康診断に「腹囲」を追加
5月26日付共同通信によると、厚生労働省が2008年度から実施しようとしている40歳以上を対象とした健康診断の新しい検査項目と判定基準が固まったようです。従来の検査項目でる身長や体重、血圧などに加え、「腹囲」が追加されたのが特徴。今回の方針は、厚生労働省が提唱する生活習慣病予防強化を受けたもので、メタポリックシンドロームの考え方が取り入れられているといえます。




●日本独自の診断基準とは?

2005年4月、メタポリックシンドローム診断基準検討委員会が、日本独自の診断基準を発表しました。これによると、内臓脂肪の蓄積が基準を超えていることが必須条件で、なおかつ血中脂質、血圧、血糖の3つのリスクファクターのうち2つ以上の基準を満たしている場合、メタポリックシンドロームと診断されます。内臓脂肪の蓄積は、お腹周り(基本はおへその位置)のサイズが基準で、男性が85cm以上、女性が90cm以上です。
この判定基準に関しては、専門医によって意見が分かれています。絶対的な数値とはいえませんが、健康管理のひとつの基準として考えてみると良いでしょう。


●メタボリックシンドロームの診断基準
1)内臓脂肪の蓄積
腹囲・・・男性85cm以上、女性90cm以上
2)高脂血症
中性脂肪・・・150mg/dl以上
HDLコレステロール・・・40mg/dl未満
3)高血圧
収縮期血圧(上)・・・130mmHg以上
拡張期血圧(下)・・・85mmHg以上
4)高血糖
空腹時血糖・・・110mg/dl以上
※2、3は、数値の一方または、両方にあてはまる場合。




●メタボリックシンドロームの改善策

メタポリックシンドロームを放置したままでいると、やがて動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの循環器系疾患を発症してしまいます。動脈硬化になる前のメタポリックシンドロームの段階で改善措置をとることが大切なのです。

●適度な運動をしよう
手軽に始められるウォーキングがおすすめです。有酸素運動の代表格で、体脂肪を燃やして肥満を防ぎ、筋肉を使うことで血糖値が下がるだけでなく、ストレスの解消にも有効。ウォーキングの時間を作る余裕がない人は、通勤時エレベーターやエスカレーターに乗らず、階段を。合い言葉は「めざせ!1日1万歩」です。

●バランスのとれた食事をしよう
内臓脂肪の蓄積を防ぐためには、まず、高脂肪の食事を避けること。甘いものやカロリーの高いものも大敵です。次に注意すぺきは食べ過ぎ。カロリーを摂りすぎないよう、腹八分目を心がけましょう。また、アルコールは脂肪にかわりやすいので、飲み過ぎも要注意です。




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