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蒸し暑い夏も後半戦に突入すると、これまでにたまった疲れで夏パテも重症に。そんなときにぜび摂りたいのが、レモンや梅干し、お酢など。これら酸味のある食品がなぜ夏バテ回復に効くのかを見てみましょう。



では、どうすれぼクエン酸サイクルを順調に機能させることができるのでしょうか。
それは、クエン酸サイクルの一部であるクエン酸やリンゴ酸を直接摂取すること。これらはレモンなどの果汁や梅干しなどに豊富に含まれています。また、酢も有効です。酢の主成分は酢酸ですが、酢酸は体内でクエン酸になるからです。
これらクエン酸や酢酸が主成分の食品を摂ることで、L乳酸はピルビン酸を経て再びクエン酸サイクルに戻され、エネルギーに変えられます。これが、疲労回復のシステムなのです。




疲労の蓄積とその回復のメカニズムを表すクエン酸サイクルを見てみましょう。
クエン酸サイクルは、生きるために必要なエネルギーを生産する工場のようなものです。
私たちが摂取した炭水化物、タンパク質、脂肪などの栄養素は胃や腸で消化されて、そのほとんどがピルピン酸(焦性ブドウ糖)となってクエン酸サイクルに取り込まれます。そしてクエン酸など8種類の有機酸に変化しながら、エネルギーと炭酸ガスと水に分解されます。
この過程で放出されるエネルギーは、私たちが元気に過ごすために欠かせないものです。
ところが、夏バテなどの影響でクエン酸サイクルの働きが鈍ると、ピルビン酸がエネルギーになるまでの流れがスムーズにいかず、残ったピルビン酸が水素と結びついてL乳酸という疲労物質を蓄積してしまうのです。





なんだか体がだるくてやる気が起こらない−夏も終わりに近づくと疲れもピークに達します。この疲労の蓄積は基礎代謝と密接な関係があると考えられています。
基礎代謝とは、生命を維持するのに最小限必要なエネルギー代謝のこと。夏バテは基礎代謝力が低下して起こると考えられているのです。
では、どうすればエネルギー代謝機能を活性化できるのでしょうか。昔から、酸っぱいものを摂ると疲れがとれるといわれています。疲れがたまると、自然と体が酸っぱいものを要求するのは、実は理に適っているのです。
レモンやライムなどの柑橘類の果汁、梅干しなどには「クエン酸」という酸味成分である有機酸が含まれています。このクエン酸がエネルギー代謝を活性化し、疲労回復にひと役買っているわけです。
そのシステムは「クエン酸サイクル」と呼ばれ、解明したクレプス氏らがノーベル賞を受賞したほど画期的な発見だったといえます。




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