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秋の行楽シーズンを迎え、遠出をして山歩きをするなど、自然に親しむ機会も増えるでしょう。慣れない環境でケガや体調不良に見舞われる人も多いはず。そこで、いざというときのための応急処置法を紹介します。



アウトドアで一番心配なのがケガです。自然の中ではしゃぎ回る子どもがすり傷や切り傷を負うのはまだまだ序の口。木から落ちて稔挫したり、河原でバーベキューをしていてやけどをしたり。事故はどこでも、何をしていても起こりうるのです。大人だって、お酒を飲みすぎて平衡感覚を失ってしまうと、転んで大ケガをすることもあります。
ところが、山に入れば近くに病院も薬局もありません。そんなとき、応急処置の予備知識をもっていれば、慌てずに冷静に対処できるはず。そのためには、必要最小限の救急用品を携帯することも大切です。
また、ケガのほか、乗り物酔いなど、移動手段で問題を抱える人もいるでしょう。これもそのメカニズムを知っていれば、事前に気分が悪くなるのを防いだり、少なくとも軽減することはできるはずです。
では、アウトドアで起きる事故やケガを想定して、その症状と予防法、対処法を紹介していきましょう。




すり傷・切り傷
傷口についた土や血を流水で洗い流したあと、傷口を直接指で圧迫して止血します。血が止まったら、絆創膏や包帯で患部を保護しましょう。
出血が続く場合は、止血作用のある塩酸ナファゾリンなどの成分が配合された傷薬が効果的。また傷口が化膿しそうなときは、殺菌作用のあるアクリノールなどが配合された消毒薬を使うとよいでしょう。
顔からの出血は実際のケガより重傷に見えるケースが多いので、まずはパニックに陥らないで落ち着くこと。また、指を止血するとき、根元に輪ゴムなどを巻くのは厳禁。血流が止まり、組繊が壊死してしまう恐れがあります。

捻挫
捻挫は間接に無理な力が加わったために靭帯などがねじれて、一部または全部が切れてしまう状態。痛みと腫れを伴います。
まずは患部を冷却すること。氷や冷水で十分冷やし、腫れが落ち着いたら、消炎・鎖痛作用のあるサリチル酸グリコールなどが配合された冷感湿布を貼るとよいでしょう。その後包帯や布などで固定し、痛みがいちばん少ない状態に保ってください。
激痛を伴う場合は、骨折の可能性があるので、病院に行きましょう。

虫刺され
自然の中にいると、ハチやアブだけでなくクモやムカデなどもいて、虫に刺される可能性も高くなります.草むらに入るときは、虫よけスプレーなどで予防をすること。
かゆみと腫れだけの場合は患部を流水で洗い流して冷やしたあと、かゆふ止めの抗ヒスタミン剤を塗っておきましょう。流水がない場合は、市販のポイズンリムーバー(毒を吸い出す器具)が役立ちます。
毒性が強い虫に刺され、激痛やしぴれ、吐き気が伴う場合は、すぐに病院に行きましょう。


かぶれ
秋に山に入ると、紅葉した木々に見とれているうちに、うるしやヤマハゼ、銀杏でかぶれてしまうことがあります。
山に入るときは、長袖、長ズボンで、肌を露出しないこと。もしかぶれてしまったら、虫刺されと同様、患部を流水で洗い流して冷やし、抗ヒスタミン剤を塗ります。

やけど
やけどをした場合はまず流水で冷やすこと。時間は長いほど効果的です。患部を冷やすのは、痛みを軽減すると同時に、やけどによって引き起こされた炎症が皮膚の奥まで広がるのを防ぐためです。
流水が使えない場合は保冷剤をタオルで巻いて患部にあててください。水ぶくれができた場合は、皮膚科で見てもらいましょう。

乗り物酔い
人は通常、目からの視覚情報と三半規管からの平衡感覚の情報を脳で処理してバランスを保っています。乗り物の中にいると、揺れていないという視覚情報と揺れていることを伝える三半規管の情報が同時に送られるために、脳が混乱をきたします。
このためホルモン分泌が過剰になり、自律神経が刺激されて冷や汗や生唾を、脳内のおうと中枢が刺激されて吐き気を催すといわれています。
車に乗るときは助手席など前方が見えて、外の景色が見える場所がベスト。車内ではラクな服装、ラクな姿勢でいるよう心がけましょう。
車に乗る30分前に、めまいや吐き気を抑えるれ抗ヒスタミン剤や抗コリン剤が入った酔い止め薬を飲んでおくと効果的。乗り物酔いを防止するリストバンドも市販されているので試してみてください。




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