HOME 特集 今月の健康 予防医学 温泉で健康

脱毛、薄毛は中高年男性の専売特許だと思っていませんか。たしかに男性に多いことは間違いありませんが、最近髪の毛の悩みを抱える女性が増えているのも事実。その原因を探り、予防と対第を見ていきましょう。


脱毛症の種類はいろいろありますが、女性に多いのがびまん性脱毛症と円形脱毛症です。
円形脱毛症は、ある日突然、コイン大の脱毛部が現れます。1カ所のみ脱毛するのが一般的。精神的ストレスが主な原因だといわれており、ほとんどの場合自然に治癒します。
びまん性脱毛症は、中高年に多く見られ、広い範囲にわたって全体的に毛髪が抜けて薄くなっていきます。
毛が生まれ変わるサイクルは、成長期、退行期、休止期の3段階。毛乳頭が毛母細胞に発毛の指令を出すと成長期に入るのですが、なんらかの原因でこの指令が出されないと、髪の毛は成長しなくなります。
びまん性脱毛症の場合は、このヘアサイクルが短くなって、毛髪が完全に成長する前の軟毛の時点で抜け落ちてしまい、休止期の毛が多くなって起こると考えられています。




女性に薄毛や脱毛が増えている理由はいったい何なのでしょう。
びまん性脱毛症は、男性型脱毛症に見られる男性ホルモンの影響はなく、加齢が一番の要因だとされます。年齢とともに細胞の老化が進むと、毛根を包み込み毛髪の生成を助ける毛包がなくなるからです。毛包は、動脈硬化によって血液の循環不全に陥った場合にも、毛母細胞に十分な栄養が運ばれなくなって消えてしまいます。
このほか、インスタント食品の増加など食生活の変化が引き起こす栄養バランスの偏りや、過度のダイエットによる栄養失調、過剰なヘアケアのほか、精神的ストレスも要因としてあげられています。




薄毛や脱毛に悩む人にとって頼みの綱は育毛剤。外用薬の育毛剤には大きく分けて3種類ありますが、びまん性脱毛症には、毛細血管を拡張するタイプと毛根に栄養を与えるタイプが使われます。
これらには、血行促進成分、毛母細胞活性化成分のほか、皮脂除去成分、殺菌成分、保湿成分などが含まれています。最近では、柑橘エキスや生薬センブリエキス入りの外用薬や、サメ肝臓エキス、ウコンが入ったサプリメントが注目されているようです。
現在数多くの育毛剤が市販されていますが、残念ながら、どのタイプの脱毛にも効く万能薬はありません。脱毛の種類や症状、体質に合った育毛剤を選んで使うことが大切です。
育毛剤は育毛対策のひとつの手段ですが、これだけに頼るのは間違っています。まず、日頃からヘアケアを怠らず頭皮を健康な状態に保つこと。そして、髪に必要な栄養を十分に摂れるバランスの良い食生活と、正常な血液循環を維持できる健康な体づくりを心がけましょう。

脱毛を防ぐための注意事項

  1. 栄養バランスの良い食生活を
    毛髪の主成分はケラチンというタンパク質。健康な髪の毛のためには、緑黄色野菜や果物などからビタミン類、海草類などからミネラルの摂取を。また、良質のタンパク質、つまり魚や大豆なども摂りましょう。インスタント食品はほどほどに。過度のダイエットも厳禁です。
  2. 正しい洗髪で頭皮を清潔に
    洗髪を怠るとフケや皮脂で毛穴がつまって頭皮の呼吸を妨害したり、細菌が繁殖したりして脱毛の原因に。適切な洗髪は、頭皮を清潔に保つだけでなく、マッサージ効果もあり、血行を促進するので脱毛予防に有効です。洗うときには爪で頭皮を傷つけないよう注意し、十分すすぎましょう。
  3. お酒とタバコはほどほどに
    適度のお酒は血行を良くし、ストレスの解消にもなります。ただし適量を超えると、反対に血液循環が悪くなり毛髪にダメージを与えることに。タバコは血管を収縮させ、血行不良を引き起こすだけでなく、ビタミンCも破壊するので、髪の毛にいいはすがありません。
  4. ストレスを溜め過ぎないこと
    心地良い緊張感は日常生活を充実させるのに役立ちます。しかし、過度のストレスは自律神経のバランスを崩し、毛細血管を収縮させてしまうので、血流が悪くなって十分な栄養が毛母細胞に届かなくなってしまいます。ストレスを抱え込ますにすむ環境づくりを。また気分転換できる趣味なども大切です。



このホームページのご意見・ご感想はこちらまでinfo@e.oisyasan.ne.jp

Copyright (C) 2000 e.oisyasan.ne.jp. All rights reserved