HOME 特集 今月の健康 予防医学 温泉で健康

世界各国で飲まれているお茶のルーツをたどっていくと、すべて中国に行き着くといわれます。
何千年もの長い歴史をもち、健康維持に効果的なことが証明されている中国茶。その特徴や効能を見ていきましょう。


種類が多すぎて、厳密に分類することは非常に難しいといわれている中国茶。最も一般的な分類の仕方は製造方法によるもので、青茶、緑茶、黒茶、紅茶、黄茶、白茶の六大茶に花茶を加えた7つに分けられます。
お茶の葉は摘んだあと揉んでそのままにしておくと自然に発酵するものですが、製造過程においてこの発酵具合を調整することにより、いろいろな種類のお茶ができるわけです。
香り豊かな青茶は半発酵茶に分類されますが、その発酵度は幅広く、低い凍頂烏龍(とうちょうう−ろん)から高い東方美人までさまぎま。青茶の代表は、おなじみの烏龍茶で、最近では青茶のことを烏龍茶と呼んでいるようです。
日本で中国茶といえばまず烏龍茶があがりますが、中国で最も多く生産されているのは緑茶。中国緑茶は、蒸して作られる日本の緑茶と違い、釜炒りする不発酵茶。黄山毛峰(こうぎんもうほう)が有名です。
微生物を繁殖させて作られる後発酵茶の黒茶は、熟成した深い香りが特徴。日本ではダイエット茶として広まったプーアル茶が代表です。世界中で親しまれている紅茶は、茶葉を十分に酸化して作られる完全発酵茶。キームン紅茶は世界三大紅茶に数えられます。
弱後発酵茶の黄茶と、弱発酵茶の白茶は生産量が少なく、負重な存在。また花茶には、茉莉花茶(ジャスミン茶)のように茶葉に花の香りをつけたものと、菊花茶のように花を乾燥させて作るものがあります。


●中国茶の分類と特徴
分類 発酵度 製造方法 主なお茶
青茶 半発酵 茶葉を乾燥させたあと、発酵をゆっくりと進める。 鉄観音、凍頂烏龍、東方美人
緑茶 不発酵 茶葉を発酵させず、摘みとってすぐに熱処理する。 龍井(ろんじん)、黄山毛峰、緑牡丹
黒茶 後発酵 摘みとってすぐに熱処理をし、高温多湿で微生物を使って発酵する。 プーアル茶
紅茶 完全発酵 よく揉んですばやく発酵させ、茶葉が赤褐色に変わったら乾燥させ発酵を止める。 キームン紅茶、ライチ紅茶
黄茶 弱後発酵 茶葉を6割がた乾燥させたあと、高温多湿で菌の働きによって発酵させる。 君山銀針
白茶 弱発酵 茶葉をゆっくりと自然発酵させ、その後弱火で乾燥させる。 白牡丹、白ごう銀針
花茶 - 茶葉に花を加えて香りをつけたり、花自体を乾燥させる。 菊花茶、ジャスミン茶




中国茶の主な成分は、ポリフェノールの仲間で渋味成分のタンニン、旨味成分のテアニン、苦味成分のカフェインと、ビタミン類(A、B1、B2、C、E)、ミネラル(亜鉛)。
中国茶は、製造過程における発酵度によって性質が異なりますが、ビタミン類は発酵度が低いお茶ほど多く含まれています。また、発酵度が低いお茶は体の熱をしずめ、発酵度が高いお茶は体を温めてくれます。
自律神経のバランスが崩れたり、体温を調節する機能が正常に働かなくなって起こる冷え症には、温かい烏龍茶、特に鉄観音(てっかんのん)が効くといわれます。完全発酵茶である紅茶も有効で、ライチ紅茶がおすすめです。
烏龍茶は便秘の解消にも効力を発揮します。烏龍茶ポリフェノールが新陳代謝を促して胃腸の働きを活発にするからです。なかでも発酵度が高い東方美人がよく効くようです。
ダイエットに欠かせないのはプーアル茶と烏龍茶。余分な脂肪の吸収を防ぎ、体外に排出してくれます。ただし、脂肪を溶かす作用があるわけではないので、飲んだからすぐにやせるということはなく、新陳代謝を高めることによって肥満を防止する効果が生まれるということを忘れずに。
このほか、むくみや貧血、頭痛やストレスの解消、美肌効果など、中国茶にはさまぎまな効能が期待されています。別表を参考にしながら、健康維持に気を配りましょう。


●中国茶の主な効能と種類
効能 主な種類
冷え性解消 鉄観音、ライチ紅茶
便秘解消 東方美人、鉄観音
肥満防止 烏龍茶、プーアル茶
むくみ防止 ライチ紅茶、プーアル茶
貧血予防 キームン紅茶
頭痛解消 菊花茶、ジャスミン茶
ストレス解消 緑牡丹、ジャスミン茶
美肌効果 菊花茶、緑茶




このホームページのご意見・ご感想はこちらまでinfo@e.oisyasan.ne.jp

Copyright (C) 2000 e.oisyasan.ne.jp. All rights reserved