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今年も梅雨と一緒に歓迎したくない食中毒の季節がやってきます。外食時だけでなく、家庭でも油断は禁物。食中毒にかからないための食品の取り扱いや調理環境など、日頃気をつけるべきポイントを紹介します。


抵抗力、免疫力が弱い人は食中毒になりやすいといわれます。その抵抗力や免疫力に深い関わりをもつと考えられているのが腸内細菌で、食中毒の予防には、善玉菌と悪玉菌の腸内バランスをベストの状態に保つことが大切なのです。
まず、悪玉菌を増加させる肉料理中心の欧米型の食事は避けたいところ。腸内をきれいにしてくれる食物繊維を多く含む野菜類を摂るようにしましょう。そのほか、腸内を活性化してくれるビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が豊富なヨーグルトや、それらの菌を増やしてくれるオリゴ糖を含む豆類などもおすすめです。
抵抗力が弱くなっている原因は食生活の変化だけではありません。衛生状態が良くなりすぎた生活環境にも問題があり、土いじりなど自然の中の菌に接する機会が減ったことも一因だと考えられています。日頃から自然に親しみ、細菌に対する抵抗力をつけることを心がけましょう。
また、殺菌・抗菌作用のある食品を摂るのも有効。お茶に含まれるカテキン、酢や白ワインの有機酸には殺菌効果が、梅干しのクエン酸、わさびや生姜の辛味成分にも抗薗作用が期待できます。





腐ったものを食べなければ食中毒にはならないと思っていませんか。食品が腐るのは腐敗菌によるものですが、食中毒の原因である食中毒菌はまったくの別物。食中毒の厄介なところは、食中毒菌が食品中で増殖していても色や味、臭いなどに変化が見られないため、容易に判断ができないこと。だから、食中毒を予防するには、あらゆる食品に食中毒菌が付着している可能性があることを前提にするしかありません。
食中毒の予防の原則は、日頃の食生活において「除菌・抗菌・殺菌」を習慣づけることです。
まず除菌。食品に細菌を付けないことが大切です。食材だけでなく、手や調理器具もよく洗うなど、衛生面での基本を守りましょう。
次に抗菌。細菌の種類によっては少数でも発病するケースはありますが、細菌を増殖させないのも大事なこと。細菌の活動を抑えるような食品の保存を心がけたいものです。
最後が殺菌。ほとんどの食中毒菌は熱に弱いので、食品を加熱すれば殺すことができます。調理器具の殺菌もこまめにしてください。
「除菌・抗菌・殺菌」の食中毒予防の三原則を頭に入れたら、あとは実践あるのみ。食品の購入から食事の後片づけまで、実際どんなことに気をつければいいかを見ていきましょう。段階ごとに予防のポイントをあげていますので参考にしてください。



●食中毒予防のポイント
食品の購入と保存 下準備と調理 食後の後片づけ

・肉類、魚介類、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを選ぶ。
・書未期限、消費期限を確認する。
<賞味期限と消費期限の違い>
賞味期限は味や香りなど食品の品質を保証する期限。消費期限は傷みやすい食品の安全を保証する期限。

・生鮮食品は最後に買う。
・生鮮食品の買い物後は立ち寄りを避け、なるべく早く持ち帰る。
・長期保存を避け、早めに使い切る。
・要冷蔵・冷凍の食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる。
・生鮮食品を冷蔵庫に入れるときは容器やビニール袋に別々に分ける。
・冷蔵庫はこまめに掃除をし、除菌する。
・冷蔵庫を開けっ放しにしたり、頻繁に開閉したりしない。
・冷蔵庫に食品を詰め込まない。
・一度解凍した食品を冷凍して再保存しない。

・手に傷があるときは素手で調理せす、ビニール手袋をつける。
・まな板や包丁などの調理器具は殺菌・消毒したものを使う。
・調理器具は食品ごとに洗う。
・肉・魚介類と野菜は同じまな板で切らない。
・食材を洗うときは流水で丹念に。
・カットして売られている野菜の切り口部分は使わない。
・食品はできるだけ加熱し、加熱は75度で5分を目安に。
・食品の解凍は冷蔵庫内か電子レンジでし、自然解凍は避ける。
・水で解凍する場合は密封容器に入れて流水で。
・調理前後または調理中に食品を室温で放置しない。
・食事の前には必ず手を洗う。
・加熱した料理は熱いうちに食べる。
・冷蔵庫などで冷やしている食品は食べる直前に取り出す。
・温かい料理を保存するときは十分冷ましてから冷蔵庫に。
・調理器具はよく洗い、殺菌・消毒したあと乾燥させてから片づける。
・食器だけでなく排水口や三角コーナーなども毎日洗って清潔に保つ。
・布巾やタオルはいつも清潔なものを使えるよう殺菌・消毒をしておく。
・冷蔵庫内は定期的に掃除をして除菌につとめる。

●お弁当作りの注意点
・おにぎりを作るときは素手ではなくラップを使う。
・おにぎりには梅干を入れる。
・サラダは別の容器に入れる。
・プチトマトやイチゴなどのへたを取り除く。
・水分の出る食品を避ける。
・かまぼこ、ちくわなどの加工食品には火を通す。
・加熱した食品は、冷ましてから容器に入れる。





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