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加山雄三さん、高橋英樹さん、黒柳徹子さんなどが出演している製薬会社のテレビCMでよく耳にするようになった「ジェネリック医薬品」。
私たちがこれまで服用してきた薬とどこが違うのかを紹介しましょう。



●ジェネリック医薬品の現状と利用上の注意

アメリカ、ドイツ、イギリスなどの医療先進国では、全医療用医薬品におけるジェネリック医薬品が数量ベースで50%以上のシェアを占めるほど普及しています。一方日本では、国民皆保険制度によって個人負担が少ないこともあり、これまではほとんど知られていませんでした。
2005年1月に医薬工業協議会が発表したところによると、平成15年度の日本におけるジェネリック医薬品のシェアは16.4%。前出の諸外国と比べるとまだまだ低い数字ですが、最近では厚生労働省も、国民医療費の負担を軽減するひとつの手段として注目しており、世間一般への情報の公開も進んできました。
しかし、たとえ新薬と成分や技術が一緒であっても、製造工程がまったく同じというわけではありません。また、使用状況などのデータが少なく、信頼性において問題がないとはいえないなどの諸事情により、医療機関・関係者のなかには採用に積極的でないところもあるようです。
一方で、海外のジェネリック医薬品は、輸入を代行する業者を通して、インターネットで手に入れられますが、医薬品の利用に関しては、購入者の自己貴任になります。
海外のジェネリック医薬品とまったく同じ製品ではなくても、成分や有効性がほぽ同等の医薬品は日本でも扱われているようです。まずは、かかりつけの病院などで、医師に相談してみてはいかがでしょう。


●ジェネリック医薬品のメリットとデメリット

(メリット)
*新薬に比べて開発費を抑えることができるため、価格が安い。
*新薬と同じ成分で、すでに有効性、安全性が確立されているので、安心感がある。

(デメリット)
*臨床実験などの規模が小さいので、添付情報が少ない。
*新薬と比較して利益率が低いため、製薬会社が販売を突然中止してしまう可能性が大きい。




●ジェネリック医薬品は新薬とここが違う

厚生労働省によると、平成15(2003)年度の国民医療費は31兆5375億円で、国民所得に対する割合は8.55%となっています。同省が2001年3月に発表した「医療制度改革の課題と視点」には、医療費に関する非常に興味深い数字が並んでおり、日本の将来の問題点がはっきりと見てとれます。
これから迎える少子高齢化社会を考えると、国民医療費、特に老人医療費の問題は将来の重要課題だと実感せぎるを得ません。
このような社会環境を背景に私たちの前に現れたのが「ジェネリック医薬品」です。
医薬品には、医療機関で使われる医療用医薬品と、ドラッグストアで販売される一般用医薬品があります。さらに医療用医薬品は、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分かれます。
ジェネリック医薬品の購入には医師の処方箋が必要なので、気軽にドラッグストアで手に入れることはできませんが、なんといっても安価なのが魅力です。
新薬を開発するには多くの人材と時間と費用がかかり、それが価格に反映されるため、当然高価になります。これに対し、特許によって開発会社に付与された独占的製造販売権が切れたあと、同じ成分と技術などを使って製造できるジェネリック医薬品は、開発費用を抑えることができるので、価格を新薬の20〜80%に設定することができるといわれています。


●厚生労働省による国民医療費のデータと将来推計

平成3(1991)年度に21兆8000億円だった国民医療費は平成10年度に29兆8000億円と、7年で8兆円も増え、国民所得に対する割合は、5.9%から7.8%と約2%増。平成10年度の医療機関の費用構造における医薬品の割合は19.4%にものぼっています。
また、国民医療費の将来推計を見てみると、今から20年後の平成37(2025)年度には80兆円を超え、国民所得の12.5%を占めるだろうという予測結果が出ています。
そして、国民医療費のうち平成3年度に30%弱だった老人医療費は、平成37年には56%になるだろうと見られているのです。
※厚生労働省が2001年3月に発表した「医療制度改革の課題と視点」のデータより




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