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現在の私たち日本人にとって、サプリメント(健康補助食品)は、健康維持になくてはならない存在といって良いほど身近な存在になってきました。
そのサプリメントの正しい使い方を摂取量を中心に紹介します。



●摂取量の指針となる栄養素の摂取基準とは

日本はサブリメントにおいてはまだ発展途上という段階です。サブリメントの分類も一律ではないようですが、大きく分けて、アガリスクやウコン、プロポリスや乳酸菌など食品糸のサブリメントと、ビタミンやミネラル、アミノ酸など食材の中から特定の栄養素を抽出したり、合成したりした栄養素糸のサブリメントがあります。
通常、食品糸のサプリメントは過剰摂取による副作用を心配する必要はほとんどないといわれます。問題を引き起こす可能性が高いのは圧倒的に栄養糸のサプリメントです。コエンザイムQ10やaリポ酸など医薬品の成分だったものが規制緩和によってサプリメントとして使われるようになったものもあるので、摂取量には慎重になりたいものです。
それでは、何を基準にすれば良いのでしょうか。ひとつの目安として「栄養機能食品」の基準値が参考になるでしょう。栄養機能食品は、ビタミン12種類、ミネラル5種類が対象で、厚生労働省が定めた規格基準を満たしているサプリメントのことです。それぞれの栄養素の機能が表示され、1日あたりの摂取目安量の上限値と下限値が決められています。
このほか、同省が定める「食事摂取基準」の数値も栄養素の摂取不足・過剰を防ぐ目安になるでしょう。
たしかにサプリメントは、欠乏した栄養素を補うのに効力を発揮します。しかし、サプリメントに頼りすぎるのは考えもの。栄養の8〜9割は通常の食事から摂るようにすペきでしょう。また、生活習慣病などの薬を処方されている人は、サプリメントを飲む前に医師に相談してください。


●医薬品成分としても使用されている主なサプリメント例

・aリポ酸
別名チオクト酸。糖分からエネルギーを作る過程で必要な補酵素のひとつ。抗酸化力が強いだけでなく、酸化されて抗酸化力をなくしたビタミンC・Eなどを再活性化する。また、糖分の代謝を促進し、インスリンの働きを良くするといわれる。欧米では糖尿病治療のための薬やサプリメントの成分として普及。日本では解毒や肝機能改善、栄養補給のための医薬品として使われてきた。1日の摂取量の目安は100〜200mgといわれる。摂りすぎると吐き気をもよおしたり、低血糖症になることもある。

・コエンザイムQ10
別名ユビキノン。細胞のエネルギー物質、アデノシン3リン酸(ATP)を作るのに必要な補酵素。日本では心不全の治療薬として使われてきた(医薬品としての1日量は30mg)。老化の予防や美肌効果なども確認されている。サプリメントで補給する場合の1日の摂取量の目安は60〜120mgといわれる。ウナギなどにも含まれているが、食品だけで必要な量を摂取するのは難しい。摂りすぎると疲労感や吐き気に襲われることがある。


●栄養機能食品の規格基準(1日あたりの摂取目安量に含まれる栄養成分量)

栄養素 栄養成分量(下限値〜上限値/日)
ビタミン類 ナイアシン 5〜15mg
パントテン酸 2〜30mg
ピオチン 10〜500ug
ビタミンA(※) 180〜600ug(600〜2000IU)
ビタミンB1 0.3〜25mg
ビタミンB2 0.4〜12mg
ビタミンB6 0.5〜10mg
ビタミンB12 0.8〜60ug
ビタミンC 35〜1000mg
ビタミンD 0.9〜5ug(35〜200IU)
ビタミンE 3〜150mg
葉酸 70〜200ug
ミネラル類 亜鉛 3〜15mg
カルシウム 250〜600mg
4〜10mg
0.5〜5mg
マグネシウム 80〜300mg
※ビタミンA前駆体であるB-カロチンの場合は1080〜3600ug



●巷に出回るサプリメントは本当に現代人の味方なのか

ここ何年かで日本のサプリメント市場は急速に拡大しています。欧米型の肉中心の食習慣や外食の増加に加え、ストレスの多い現代社会において、体調に不安を感じる人が増えている現状では、医薬品のような副作用もなく、手軽に摂れるサブリメントは心強い味方に思えます。
しかし、サブリメントは本当に安心して飲めるものなのでしょうか。テレビや新聞、雑誌、インターネットなどを通して大量に提供される情報に振り回されて、手当たり次第試したあげく、何が本当に体に良いのか、どんなサプリメントをどれだけ飲めば良いのか、飲み合わせに問題はないのか・・・不安を抱えている人も多いことでしょう。
実際、2005年9月22日付朝日新聞の生活欄に掲載された「大豆イソフラボン摂取量の目安は」という記事は、サプリメントの摂取量の表示に疑問を投げかけています。
記事によると、乳ガンや骨粗鬆症などの予防に効果があると話題の大豆イソフラボンですが、過剰に摂取すれば内分泌撹乱作用などの懸念があるということを踏まえ、4月に食品安全委員会が摂取量の目安案を出しました。しかし、これに異論が唱えられ、安全性についての表記に関して現在も議論が続いているということです。
この記事からもわかるように、要するに、サプリメントの摂取量に関しては確固たる基準はないに等しいということなのです。そんな状況下で、含有量を売りにして販売されているのが実情といえるでしょう。




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