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「私の言うことを聞いていれば大丈夫」と一喝。患者の声にはまったく耳を傾けない。

医師たちはプライドが高い?!患者と同じ目線で話さない。
今回のアンケート調査で、もっとも多く見られた回答が「一方的に話し、患者さんの声にまったく耳を傾けない」というものだった。ほかにも、「私の言うことを聞いていれば大丈夫」と患者に向かって大声で一喝するという訴えも数多く見られた。こうした医師の態度について、都内で働く30代の看護師は次のように話す。
「すべての医師がそうではありませんが、私がこれまで見てきた経験では、総じてプライドが高いように思います。患者さんから何かを指摘されたり、『本当に治るんですか?』などといった質問をされると、激怒する医師も数多く見てきました。医師とのつき合い方は看護師の私でも難しいと感じています」−この30代の看護師が言うには、往々にしてそのような医師たちは、患者だけでなく看護師や院内のあらゆるスタッフに対しても横暴な態度をとることが多いという。
同じような経験を持つ九州地方で勤務する20代の看護師は、「患者さんが一生懸命に自分の病気に関する勉強をなされ、医師にさまざまな質問をしていた時のこと。医師は急に話を聞かなくなり、『○○さん、私が信用できないなら、ほかの病院に行ってもらって結構ですよ』と、冷たい眼差しで言ったのです。愚者さんは、しばし唖然とした顔をしていましたが、しばらくして 『すいませんでした』と、医師に謝っていました。患者さんに対して気の毒に思うだけでなく、『この医師は何様のつもりだ!』と怒りを覚えました」と回答している。
これらの話から考えると、こうした医師たちは患者と同じ目線で話をしたり、聞いたりするのではなく、「医師が上、患者が下、俺がお前の病気を治してやるんだぞ」という、従来から医師たちの間に広がっていた傲慢な考えを、未だに持っているのかもしれない。
それを裏付ける資料として、本誌が昨年、医師たちに実施したアンケート調査(2004年9月1日〜10日実施・有効回答数52人)がある。このなかで、「患者はお客様ですか?」という問いに対して実に23.1%の医師が「いいえ」と回答しているのだ。「医療もサービス業の1つ」という考え方が広まってきた現在においても、約4分の1の医師たちが「患者=お客様」という考えを持ち合わせていないというのが寂しい現実である。
同様の設問に対して一方の看護師は、約80%が「患者をお客様と考えている」と回答している。職種が異なるとはいえ、医師と看護師との間には大きなギャップがあることがわかるだろう。


その日の気分が診察に影響。患者を真剣に診ないことも。
都内の20代の看護師は次のような回答を寄せてくれた。
「毎日、同じ姿勢で患者さんの診察にあたっている医師も数多くいますが、なかにはその日の気分でまったく対応が異なる医師がいます。私が知っている医師は気分の浮き沈みが激しく、機嫌が良い時は手とり足とりといった感じで患者さんの診察にあたっていますが、機嫌が悪いと最悪です。まともに診察もせずに、独断的に病名を伝え、『はい、次の人』といった感じです。看護師同士でも、その医師の毎日の機嫌を気にするくらいですから、機嫌が悪い時に診察に来られる患者さんは気の毒でしょうがありません」
前述のアンケート調査でも、約61.5%の医師たちが、その日の気分が診察に影響を与えると回答している。「医師もわれわれと同じ人間なので仕方がない」と言えばそれまでだが、人の命を預かるプロとしては、いささか心もとないところだ。
一方、看護師の回答を見てみると、その日の気分が看護に影響を与えるとの回答は医師よりも少ない。プロとしての自覚は看護師のほうが高いようだ。


日本医療企画「ホスピタウン」より



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