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カラダの20%を占めるアミノ酸。その正体は?



アミノ酸が生命のカギを握る!

“アミノ酸”と言えば、真っ先にドリンクや旨味調味料などの原料を連想するかもしれないが、私たちの体の実に20%がたんばく質、つまりアミノ酸でできていることをご存知だろうか。体重50kgの人なら、約10kgがアミノ酸。筋肉、内臓、血中のヘモグロビン、ホルモンなど、まさに生命に関わる組織は、50種類ものアミノ酸の組み合わせによって構成されている。
そのアミノ酸の原料となるのが、肉や魚、穀物などの食品に含まれるたんばく質だ。
たんばく質は、体内で消化される段階で、アミノ酸に分解され、肝臓で代謝される。そして必要に応じて、エネルギーになったり、皮膚やホルモンをつくり出す。
肝臓には、吸収されたアミノ酸をプールする役割がある。しかし、蓄えられる量は2日分が限度。日常生活で支障なく体を機能させるには、規則正しい食生活がカギとなる。
アミノ酸には、体内組織を構成するほか、さまざまな役割がある。必要なアミノ酸を過不足なく摂取するコツを押さえていくことが大切だ。





量だけでなく、バランスも大切

体内のたんばく質を合成する50種類のアミノ酸のなかでも、体内合成することができないもの−それが下にあげた、必須アミノ酸と呼ばれる9種類。
それぞれ体内で果たす役割が異なるため、1つのアミノ酸に偏ることなくすべてを取り入れていく必要がある。その際、食品によって、アミノ酸の組成、含有量が異なることをまずは知っておきたい。
9種の必須アミノ酸がすべて十分に含まれている食品もあれば、いくつかのアミノ酸だけが極端に少ない食品もある。
アミノ酸バランスが悪い食品ばかり食べていると、所要量はクリアできても、特定のアミノ酸が不足することになる。
そこで参考にしたいのが、「アミノ酸スコア」と呼ばれるもの。これは、必須アミノ酸が基準値の何%含まれているかを表す数値だ。たとえば、卵のアミノ酸スコアは100で、すべてのアミノ酸が十分含まれていることを示す。
一方、同じ動物性たんばく質でも、魚介類ではトリプトファンが不足しているため、スコアは100を切ることが多い。小麦や精白米の穀物類も、それぞれ42と81。ご飯だけでは、必須アミノ酸は足りないのだ。



大豆製品を積極的に食べよう

一般的に、アミノ酸スコアの優秀選手は肉類や卵の動物性たんばく質だが、100点満点は大豆類。動物性たんばく質と違って、脂質が少ないため、生活習慣病の恐れがある人も安心して食べられる。更年期障害の症状を和らげる役割もあるので、毎日の食事に積極的に取り入れたい。

必須アミノ酸の役割を押さえておこう!
バリン・ロイシン・イソロイシン その分子構造から分岐鎖アミノ酸とも呼ばれる。筋肉を強化し、成長を促す。これら3つのアミノ酸は肝臓ではなく、筋肉で代謝される。

スレオニン

成長を促進し、脂肪肝を予防する働きもある。不足すると食欲不振、貧血、成長を妨げられるなどの弊害がある。

トリプトファン

鎮痛作用、催眠作用があり、精神を安定させる。加齢を遅らせ、更年期の症状を和らげる働きがある。とりすぎると肝臓の脂肪になる。

メチオニン

アレルギー反応を和らげる働きをもつ。抗うつ剤の原料にもなる。不足すると尿をつくる機能が低下し、むくみやすくなる。

リジン

体内の組織を修復する。ブドウ糖の代謝を促進し、カルシウムの吸収をアップさせる。不足すると疲れやすく、集中力低下。肝機能も低下する。

フェニルアラニン

ドーパミンなど神経系の物質を生成する。抗うつの働きも。アスバルチームなど人口甘味料の材料にもなる。とりすぎると血圧が上昇する。

ヒスチジン 大人になれば体内で生成されるが、子どもにとっては必須アミノ酸。成長に関与し、神経機能を補助。ストレス軽減などの役割がある。





日本医療企画「ホスピタウン」より



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