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その2)赤ちゃんにや子どもに多い皮膚の病気

赤ちゃんや子どもの皮膚は、大人に比べると表皮や真皮が薄いうえ、キメが細かく、水分含有量も多い。このため、汗やよだれ、食べこぼしなどでも湿疹が発症しやすく、ちょっとひっかいたい、衣服がすれたり、虫に刺されたりするだけで、皮膚炎になることがある。特に多いのが、(乳児)脂漏性湿疹で、次いで多いのがこれから説明するあせも・あせものより、とびひ、おむつかぶれ、などである。



あせも・あせものより

●症状
あせもは赤ちやんや子ともの夏の代表的な皮膚炎だが、最近は暖房の効きすぎにより、冬でもあせもをつくる子どもが増えている。あせもが悪化したものがあせものよりである。
頭や額の生え際、首、脇の下、股間などのくびれ、おむつのあたる下腹部など、汗をかきやすく、汗がたまりやすい場所にできる。赤く細かいブツブツができ、これがくっついて一面真っ赤になることがある。かゆいのでかきむしっているうちに症状が重くなり、あせものよりになる。あせものよりになると痛みも加わるため、赤ちやんは不機嫌で寝つきが悪くなり、熱を出すこともある。

●原因
人間には200万〜400万個の汗腺があるが、出生前にはすでに完成されている。体表面積が成人に比べて小さい小児の場合、汗腺分布密度も高く、しかも新陳代謝が活発なので汗をかきやすいが、その汗とともに、皮膚についていたほこりや皮脂、垢などが流れて汗孔をふさぎ、汗が汗腺の中に閉じ込められて炎症を起こしたものがあせもである。あせもをかき壊したところに、黄色ブドウ球菌が感染すると、あせものよりになる。

●治療
軽いあせもなら、皮膚を清潔にしておけば治るが、症状が重く、治りにくい時はステロイド剤を薄く塗ると良い。あせものよりになった場合は、患部を切開して膿を出し、炎症を抑えるアクリノール亜鉛華単軟膏を塗る。黄色ブドウ球菌に効く抗生物質を服用することもある。

●日常の注意
室内は風通しを良くし、夏は涼しく、冬は暑すきないように適温(22〜23℃前後)を保つことが大切。皮膚を清潔に保つためには、汗をかいたらこまめに拭き、下着を取り替えること。夏ならシャワーや水浴びで汗を流すのも良い。入浴時には、石けんを手にといて泡で体を洗い、石けんかすが残らないようにさっぱりと洗い流すこと。




とびひ

●症状
夏にもっとも多い子どもの皮膚病。伝染性膿痂疹とも言う。顔や手足に透明な水疱ができ、膿んで膿疱になることもある。かゆみが強く、かきむしると、水疱が破れさん滲出液が”飛び火”して、付着したところにまた水疱ができる。水疱が破れた後はかさぶたになる。

●原因
虫に刺された跡やひっかき傷にブドウ球菌や化膿性連鎖球菌が感染することで発症する。連鎖球菌が感染すると黄色い膿疱になる。

●治療・日常の注意
抗生物質を含んだ軟膏を塗り、抗生物質の飲み薬を服用する。その間は、シャワーで汗を流し、皮膚を清潔に保つ。とびひを全身に広げないためには、水疱をかきこわさないように、また、汚い手で湿疹や虫刺されをかきむしらないようにすることが大切。




日本医療企画「ホスピタウン」より



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