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冷房による冷え性や痛み、心身のストレスは半身浴で解消!

●20〜30分かけて入浴する半身浴
半身浴は、38〜39℃くらいの湯に手足を伸ばして心臓のすぐ下のみぞおち部分までつかり、20〜30分かけてゆっくり入浴する方法だ。
体を流れる血液は、横になっていれば全身に均等に行き渡るが、立っている時は重力の影響で下半身に集中する。一方、半身浴をしている時は、湯につかっている下半身に水圧がかかり血液が上へと押し上げられるため、血夜分布は均等になる。つまり、横たわってリラックスしているのと同じような状態を得られるわけだ。
しかも、38〜39℃の湯温は、体内の働きを穏やかにし、鎮静化を促す副交感神経を活発にさせ、ストレスを解消する。肩までつかる全身洛との比較でも、半身浴のほうが圧倒的にストレス減少度が高いことは、東京ガス都市生活研究所の調査で判明している。
入浴中、全身を1分間に約1周する血液は、20周くらいで体を芯から温める、と言われている。20分間の全身浴は心臓にかなりの負担を強いるが、半身浴なら問題はない。半身浴は、体を芯から温め、冷房などによる夏の冷えや、関節の痛みなどを解消する。
もっとも、20分間も湯船にじっとつ
かっているのは少々退屈なもの。浴室に濡れてもかまわない雑誌や本を持ち込み、BGMを流すなどして楽しい時間を演出しよう。アロマテラピーもおすすめだ。

●湯上りにはコップ1杯の水
ゆったりリラックスしたまま就寝するには、体温が下がり始める頃にベッドに入るのがポイント。「就寝の3時間前の入浴が理想」と言われるが、難しい場合も、就寝する1時間前までには入浴しよう。また、入浴の前にはコップ1杯の水を忘れずに。長時間の半身浴は、体から大量の水分を奪う。入浴前後に水分を補給し、体内の老廃物を汗とともに押し流そう。

●季節の植物を使った入浴剤を入れてみよう
沸かしたての湯には塩素が多く含まれ、皮膚のたんばく質に付着して肌をピリピリと刺激するため、「高齢者や乳幼児など肌の弱い人には良くない」と言われている。
こうした湯の刺激を緩和するのにおすすめなのが入浴剤だ。市販の入浴剤もあるが、季節の植物を使った自然の入浴剤はいかがだろう。
5月の菖蒲湯が有名だが、そのほかにも、6月のドクダミ、7月のモモ、8月のハッカ、9月のキク、10月のショウガ、11月のミカン、12月のユズ、1月のマツ、2月のダイコンの葉、3月のヨモギ、4月のサクラの樹皮などがある。香りの効果も期待できるはずだ。

 




浴室を利用した半身浴サウナでたっぷり汗をかいて老廃物を除去

●発汗の滞りが不調の原因に
汗は、体温調節と同時に、体内にたまった老廃物や疲労物質を排出する働きをする。しかし最近では、夏場も冷房のきいた室内で長時間過ごすことが多くなっているため、暑くても汗をかけない体質になっている人が増えている。発汗が滞ると、手足のしびれや肩こり、慢性疲労などが起こりやすくなるので要注意。たっぷり汗をかくために、浴室を利用したサウナにチャレンジしてみよう。最近は浴室に簡単に取り付けられるミストサウナ付き暖房もあるが、換気扇を止めて、肩からタオルを羽織り、長めに半身浴しても発汗しやすくなる。
なお、サウナに入る際には、事前にコップ1杯の水を飲み、あらかじめ失われる水分を補給しておくこと。また、皮膚を必要以上に刺激しないように、木綿やナイロンで垢をすり落とすのは避けよう。浴槽から上がった後は、41〜43℃くらいの熱めのシャワーを浴び、汚れを洗い流す。入浴後は、水滴を軽くふき取ったら、バスロープなどを羽織って20分ほど涼み、汗が十分に引いてから衣類を着用しょう。

●脂肪を燃焼させる「高温反復浴」
もともと42℃近くの高温を好むと言われる日本人。さらに高齢になるほど高めの湯温を好む傾向にある。しかし、高温浴の入浴時間はせいぜい3〜5分が限度。入浴時間が増すと、のぼせやすくなるほか、動悸も速まり、湯冷めもしやすくなるなど、健康面でもマイナスだ。「そうは言っても・・・」という方には、健康的に高めの湯温を楽しむ「高温反復浴」をおすすめしたい。
まず湯温を41〜43℃に設定し、体を慣らすために指先など末端から心臓へ向けてかけ湯をする。次に肩まで湯につかり、3分間入浴したら上がって5分間休み、また3分間入浴する、というように、入浴と休憩を3回線り返す。反復することによって血行が良くなり、内臓の働きも活発化。脂肪の燃焼も促進するほか、リンパ液の流れも良くなりリンパ球も活性化するので、免疫力もアップする。
この入浴法は、ウォーキングを50〜60分間行うのと同程度の運動量に相当するため、ダイエット効果も期待できる。ただし、心臓にトラブルがある人、血圧の高い人、高齢者は、避けたほうが良いだろう。





日本医療企画「ホスピタウン」より



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