●症状
立て続けにくしゃみの発作が現れ、鼻水・鼻づまりの症状に見舞われる。頭が重い、ぼんやりする、うっとうしいなどの感じがつきまとい、目のかゆみや充血、涙目、のどの痛みなどの症状も伴う。1年を通じて現れる通年性のものと、季節によって現れる季節性のものとに分けられる。季節性のものでは花粉症が代表的。
●原因
通年性の場合は、家の中のほこり・ちり(ハウスダスト)、ダニ、カピ、猫や犬・小鳥などペットのふけなどがアレルゲンになる。そのほか、天候や気温の変化なども影響を与える。季節性のものでは、スギ、ブタクサなどの花粉が第一にあげられる。スギ花粉症は日本と中国で目立つが、国によって花粉症の原因となる植物は異なる。ただし、アレルギーの原因となるアレルゲンがあるからといって、誰もが発症するわけではない。外部からの異物が体内に入り込まないための防御システムである免疫を抑制する遺伝子の力が生まれつき弱く、アレルギーを起こしやすい体質の人がアレルゲンに過剰に反応すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、アレルギー性鼻炎が生じる。
●検査・診断
くしゃみ・鼻水・鼻づまりの典型的な症状があっても、アレルゲンに関する検査をしてみなければ、アレルギー性鼻炎かどうかは断言できない。検査方法には、@鼻汁の中に白血球の1つである好酸球の増加をチェックする鼻汁検査(アレルギー反応が起きていると増加する)、A抗原抗体反応を引き起こす抗体がどれくらい含まれているかをチェックする特異的lgE抗体検査、B考えられるアレルゲンを皮膚に注射して(引っかき傷をつくり、たらす)、15分後に皮膚が赤くはれているかどうかをチェックす皮膚テスト、CBで出た可能性の高いアレルゲンをしみこませた小さな紙を鼻の粘膜に貼り付けて、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの反応増強をチェックする鼻粘膜誘発テストがある。これらの検査で、反応がみられない場合は、アレルギー性鼻炎ではなく血管運動性鼻炎と診断される。症状は似ているが、その原因は自律神経の調整がスムーズに働かないこと。急激な気温の変化、ストレス、アルコールの摂取などをきっかけに発症する。
●治療
症状を軽減するためには、@抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を内服する、A点鼻薬として副腎皮質ホルモンのスプレーを使用する、B目のかゆみなどを伴うなら、抗アレルギー剤の点眼薬を使う−などの薬物療法を季節前から行う。花粉症の場合は、花粉情報(気温の上昇と湿度の低下が同時に起こると飛散する花粉量は多い)を見ながら、花粉が飛び始める2週間くらい前から抗アレルギー薬を使用すると、症状を軽くできる。そのほか、アレルゲンが特定できた時は、微量ずつ長期間アレルゲンを注射して、体内に遮断抗体をつくり、アレルギー反応を抑える滅感作療法という治療法もある。日常生活では、アレルゲンの除去や回避の工夫が必要となる。
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