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説明を受ける際の4つのポイント

医師から説明を受ける際に気をつけたいポイントを4つあげる。

  1. 治療や手術前に徹底的に症状改善の期待度を聞いておく・・・手術で期待したはど症状の改善が得られなかった場合の原因には、「医療ミス」と「もともとさほど症状の改善が期待できない手術・治療だった」という2つが考えられる。ミスがあったかどうかを知るためにも、また、「さはど症状が改善しなかったとしても、万が一に賭けて受ける」のか、「さほど症状が改善しないなら、あえて手術・治療は受けたくない」かを選択するためにも、現在の症状が何%程度回復するのか、デメリットはあるのか、などについてしっかり聞いておきたい。
  2. 医師の専門分野を必ず聞くこと・・・医師も万能ではない。得意・不得意はある。自分のかかっている疾患を治療した経験がどれくらいあるのか、手術の件数も聞いておこう。
  3. 治療や手術後の平均的な経過を事前に聞いておく・・・治療・手術後の経過が順調か否かが自分も家族も実感できるため、状態の変化や異常に気付きやすくなる。
  4. 自分・家族の病気に関しては、医療関係者に近いレベルの医学知識を身につけるように努力する・・・「詳しく医師に説明を求めると嫌がられる」と、自分の疾患や病状を十分に理解できないまま治療を受けている人もいるが、こうした態度が医療ミスを誘引する。積極的に質問すれば、医師も緊張感を持って対応せざるを得ないため、ミスを防ぐことにもつながる。「良い医師」の条件の1つには「治療についてわかりやすく説明する」ことも含まれる。説明を嫌がつたり、面倒がったりする医師は考えものだ。「病気について勉強するのは大変。専門家である医師に任せたい」と考えるのは禁物。自分の病気について正しい知識を持ち、間違った情報を排除することも自己責任の1つと考えよう。



医師と患者が協力して治療にあたる

医療ミスのなかには、患者自身で未然に防げるものもある。
最近では医師がコンピューターに薬の処方や検査のオーダーを診療現場で入力する「オーダリングシステム」を導入する病院が増えているが、先頃、医師がある成人患者に処方するはずの薬を誤って1歳の男児患者に処方するようにコンピューターに入力し、誤った処方箋を渡すというミスがあった。しかし、男児の母親が疑問に思い、服用させなかつたために事故を免れた。もし服用させていたら、重い副作用を起こす可能性もあったという。また、入院中の点滴で、昨日までのものと薬剤名が異なっていたため、患者自身が「いつもの点滴と名前が違う」と指摘して事故を未然に防いだケースもある。
「病院や医師がチェック機能をさらに充実すべきことはもちろんですが、患者も自分の身に行われている医療をチェックすることが大切です。しかしこれは、医療者を『いつミスをするか』と疑ってかかる、ということではありません。信頼関係が築けなければ、良い医療は実現できません。医療者と患者が協力しあってこそ、良い治療が行われることは忘れないでください」と、アドバイスする。




医療ミスを防ぐ患者心得10カ条
  1. 何よりも「自分が治す」「治るのだ」という執念を持つ
  2. 自分のために働いてくれている協働者(医師・医療スタッフ)対して感謝の念を持つ
  3. 自分の医学無知を恥じて卑屈にならず遠慮しない
  4. チーム医療の主役になる
  5. 安全管理を実践する
  6. 身体情報はもれなく伝える
  7. 症状は正確にもれなく伝える
  8. 治療方針は、理解でき信じられるまでとことん本音で会話し、質問する
  9. 提示された治療方針以外のセカンドオピニオンを聞く
  10. 治療方針を選択する時は、信じた自分の責任で行い、依頼し、信頼する



日本医療企画「ホスピタウン」より



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