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矯正歯科とは、歯列矯正を行う治療のことをいいます。
歯並びを整え、バランスのとれた正しいかみ合わせができるように調整する治療です。機能的なバランスを重視しつつ、最大限に美しさも追及します。歯並びをよくし、理想的なかみ合わせを得ると、心身の健康もうまくかみ合います。



歯の動きを利用する矯正歯科

歯列矯正では歯に矯正装置をつけ、移動したい方向へ力を加えて圧迫し、ほんのわずかずつ動かしていきます。歯が動くのは、歯の周囲の組織構造によるものです。たとえば、歯を右に動かそうとするときには、矯正装置によって適当な力で右に押してやります。すると、歯の右側の歯根膜は圧迫され、左側の歯根膜は右へと引っ張られることになります。圧迫されたほうの歯根膜の細胞はその刺激によって周りの骨を吸収し、引っ張られた側の細胞はそのすき間を埋めようと周りの骨を増殖させます。こうして、歯根膜の細胞の新陳代謝を利用して歯を動かしていくことが歯列矯正です。
したがって、歯列矯正は歯を動かして治すことであり、歯を抜くことは決して本意ではありません。しかし、まったく抜かないともいえません。歯を抜くことは、患者さんと同様に歯科医にとっても無念なことなのですが、そのほうが残った歯の機能性、審美性がより高くなる場合には、やむを得ず抜くこともあります。
その際は、抜く前に上下歯列の型をとって歯並びの状態を調べ、矯正歯科独特の顎顔面全体のレントゲン写真を撮影して、あごの骨の大きさや形、歯が出ている方向、歯の出方などをチェックします。そしてこれらのデータをもとに十分に検討し、さらに患者さんの希望にどの程度沿うことができるかを加え、総合的に判断。十分に説明した上、納得を得てはじめて抜くことになります。
歯の本数を減らすかどうかの判断は、矯正専門医にとって非常に重要なものであり、腕の見せどころにもなります。




歯を動かすと健康面にも好影響

かみ合わせが全身に及ぼす影響などが取り沙汰されるようになってくると、健康のために歯並びを気にする人が増えてきています。
確かに表面上の歯並びの悪さは、美容面にとどまらず、かみ合わせの機能そのものを悪くしていることが多いのです。歯科では、歯並びの悪さやかみ合わせの悪さを併せて専門的には「不正咬合」といいます。
不正咬合を放置すると、心と体にさまざまな影響を与えます。食べ物がよくかめず、言葉の発音が悪くなったり、明瞭でなくなったりします。さらに、歯ブラシが隅々にまで届かないので、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。その結果、口臭の原因にもなるなどの弊害をもたらします。
緊張したとき、瞬発力や集中力を必要とするとき、重いものを持ち上げるときなど、奥歯をギューッとかみ締めます。このときに奥歯にかかる重量は非常に大きく、かみ合わせが悪いとこの力を発揮できません。
もともとかみ合っていない歯をかみ合わせようと力を入れると、そのしわ寄せは顎関節に及びます。ひどい場合には顎関節症にもなりかねません。首の後ろのこりや肩こりにもつながります。不正咬合を放置しておくと、歯の問題から全身の問題へと波及するおそれもあるといわれています。
このように、歯のかみ合わせと全身の関係が取り沙汰されることになると、首や肩のこりがひどい場合には、もしかしたらその原因は不正校合にあるのかもしれない、と懸念する人が少しずつ増えています。しかし、実際には歯列矯正を受ける動機は、まだまだ見栄えを気にすることが多く、歯の並びが屏風のようにデコボコしている、上の前歯が出ている、歯の間がすいているなどが主になっています。
しかし、矯正装置によって動く歯のスピードはわずかで1カ月に1〜2ミリ程度ですから、理想の位置まで移動させるためには、相当な時問がかかります。美しさを急ぐあまりに、歯根部を残して歯冠部を全部削って差し歯にする治療を行うと、美しさを手に入れたとしても、機能性をさらに損ねることになりかねません。




歯を動かすと健康面にも好影響

かみ合わせが全身に及ぼす影響などが取り沙汰されるようになってくると、健康のために歯並びを気にする人が増えてきています。
確かに表面上の歯並びの悪さは、美容面にとどまらず、かみ合わせの機能そのものを悪くしていることが多いのです。歯科では、歯並びの悪さやかみ合わせの悪さを併せて専門的には「不正咬合」といいます。
不正咬合を放置すると、心と体にさまざまな影響を与えます。食べ物がよくかめず、言葉の発音が悪くなったり、明瞭でなくなったりします。さらに、歯ブラシが隅々にまで届かないので、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。その結果、口臭の原因にもなるなどの弊害をもたらします。
緊張したとき、瞬発力や集中力を必要とするとき、重いものを持ち上げるときなど、奥歯をギューッとかみ締めます。このときに奥歯にかかる重量は非常に大きく、かみ合わせが悪いとこの力を発揮できません。
もともとかみ合っていない歯をかみ合わせようと力を入れると、そのしわ寄せは顎関節に及びます。ひどい場合には顎関節症にもなりかねません。首の後ろのこりや肩こりにもつながります。不正咬合を放置しておくと、歯の問題から全身の問題へと波及するおそれもあるといわれています。
このように、歯のかみ合わせと全身の関係が取り沙汰されることになると、首や肩のこりがひどい場合には、もしかしたらその原因は不正校合にあるのかもしれない、と懸念する人が少しずつ増えています。しかし、実際には歯列矯正を受ける動機は、まだまだ見栄えを気にすることが多く、歯の並びが屏風のようにデコボコしている、上の前歯が出ている、歯の間がすいているなどが主になっています。
しかし、矯正装置によって動く歯のスピードはわずかで1カ月に1〜2ミリ程度ですから、理想の位置まで移動させるためには、相当な時問がかかります。美しさを急ぐあまりに、歯根部を残して歯冠部を全部削って差し歯にする治療を行うと、美しさを手に入れたとしても、機能性をさらに損ねることになりかねません。




乱ぐい歯の元凶は人類の進化?

歯のかみ合わせが悪い、歯並びが悪いという人たちのうち、「乱ぐい歯」といわれる「叢生」で悩む人たちが増えています。いったいどうして、屏風のようなデコボコの歯並びができるのでしょうか。
1つの原囚は、人類の進化にともなって起こったものと考えられます。人類が類人猿やその前の段階のときには、頭が小さく、それに対してあごは大きかったので、全部の歯が正しく生えそろう環境にありました。ところが、進化するにしたがって次第に頭が大きくなり、上あごや下あごは小さくなっていきましたが、その変化に歯がついていけず、小さなあごに合わない大きな歯をもつことになり、デコボコにしなければ収納できなくなってしまったというわけです。
もう1つの原因は、黄色人種という民族が共通にもっている弱点です。白人や黒人は、頭やあごに奥行きがあるため、全歯を収納するスペースがあります。一方日本人などの平べったい頭やあごでは奥行きが短く、全部の歯を収納するにはデコボコにさせるよりしかたがなく、そのために黄色人権の歯はもともとデコボコになりやすいのです。
そして、もうひとつの要因は生活習慣といわれています。食生活が欧米化し、ハンバーグやカレーのようにあまりかまなくてもよい食べ物が多くなってくると、あごがに十分に発達せず、上のあごと下のあごの位置関係が悪くなります。あまりかまずに食べる、水で流し込むように食べる、硬いものは食べない、などの食習慣も、あごの成長を妨げてしまいます。
叢生をはじめとする不正咬合は、あごの形や歯の大きさなどによって起こるわけですが、体格や体質が遺伝するように、あごの形や歯もまた遺伝の影響を受けます。




日本医療企画「ホスピタウン」より



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