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清潔な住環境を保つ

家ダニやダニの排泄物、空中のカビ、ホコリなどのハウスダストが、アトピーの第一のアレルゲンと指摘されている。掃除が不十分で、湿気が多く、機密性の高い室内だとダニは繁殖しやすい。じゅうたんを取り払い、床をフローリングにして、毎日掃除機をかけた後に拭き掃除をするなど、徹底して清潔を保つことが大切だ。ぬいぐるみなど布製のおもちややインテリア小物などをできるだけ置かないようにして、拭き掃除が可能な木やステンレスの材質の調度品を使用し、家具の裏などにもゴミがたまらないように注意すること。家のなかでペットを飼うのはもちろん、できれば観葉植物を置くことも避けたい。前者は毛やフケを、後者はカビを発生させる原因になる。力−テンもできるなら取り払い、ブラインドにすると良いだろう。
なお、掃除機をかける時は、排気口からホコリが舞い上がらないように、排気口を戸口に向ける。また、ホコリを撒き散らさない掃除機を使用すると良い。花粉の季節などは、外出先から帰宅したら、上着を外でよく払い、家のなかに花粉を持ち込まないようにしよう。風通しが悪いのも良くないが、花粉の季節だけに、早朝だけ窓を全開にして空気を入れ替え、日中の風が強い日は窓を開けっぱなしにしないことも忘れてはならない。




寝具は日航消毒を

ウールや羽毛などの寝具でもアレルゲンになることがある。そば殼の枕も、人によっては使用しないほうが良い。生地がゴワゴワした布団やシーツ類は、皮膚を刺激する。なるべくやわらかい木綿生地のものが良い。布団や毛布についた皮膚の角質や汗を養分にダニは繁殖するので、日光消毒でいつも乾燥させておこう。表を干したら途中で裏返して干すことも忘れずに。取り込む時は、掃除機をかけて、表面のホコリをよく払うことを心がけよう。
また、夏は早めに室内に取り込み、寝具の温度を下げておくようにする。温度が高いと、寝た時に蒸した状態となり、汗をかいてダニの温床をつくることになるからだ。日照が十分でない時は、布団乾燥機を使用すると良い。シーツなども洗ってさっぱりさせておこう。




衣類は羊毛や化学繊維を避ける

衣類は化学繊維やウールを避け、吸水性と通気性がある木綿を選ぼう。できるだけ皮膚になじむような、毛羽立ちのないやわらかい布が良く、肌が刺激されて湿疹が悪化しないようなゆったりとしたものを着用すること。特に夏から冬にかけて、ウールが中心の衣料になるが、必ず木綿の下着やシャツを着て、ウールや化繊が皮膚に直接当たらないようにしよう。マフラーも注意が必要だ。新しい下着などは、着用する前に洗濯して、肌にふれても問題ないように、やわらかくしてから着ること。汚れた下着も湿疹の原因になるので、毎日変えて清潔にしておく。
なお、赤ちゃんの場合は母親の衣類も考えなければならない。抱っこやおんぶなどの際に、お母さんの衣類に顔を寄せることが多いので、母親は木綿の衣類を着用すること。髪の毛も子どもの肌を刺激しないように、きちんとアップにしよう。




入浴して、スキンケアを心がける

運動などで汗をかいたり、ホコリを浴びたりしたらすぐに入浴しよう。皮膚のバリア機能が低下しているので、汗やホコリで体が汚れていると、その刺激でかゆみが生じてしまう。一般の入浴用せっけん、または弱酸性の皮膚に優しいせっけんを使用し、手で十分に泡立てたら、その泡で軽く皮膚をさする程度に洗う。十分にシャワーを浴びて、せっけんカスを残さないようにする。シャンプーも洗浄力が強いものは避け、髪をすすぐ時は顔を上げてシャンプーやリンスが顔を伝って流れないように注意しよう。
なお、沐浴剤や入浴剤も皮膚の刺激になることがあるので注意する。湯温は39〜40℃)くらいのぬるめのほうが、刺激が少ない。湯上がりには、タオルを当てるようにして水滴を除いた後、必要に応じて保温剤を塗り、乾燥を防ぐ。症状が軽い場合は、入浴後のスキンケアを心がけ、保溶剤を使用するだけで治るケースもある。




上手に気分転換してストレスに対処

心身のストレスで自律神経が変調を来すと、皮膚の機能が低下して湿疹が悪化することがある。子どもの場合、湿疹だけでもストレスなるため、精神的にあまリ追い詰めないこと。つらい状態の時は治療薬などでカバーしよう。「これを食べるとまた悪くなるからやめよう」「清潔にしないと、またつらいよ」など、”神経質な生活”を押しつけないことが大切だ。周リがそっと配慮して、できるだけ穏やかな生活を送るように配慮しよう。
思春期以降では、快眠・快食・快便を心がけて、疲労はその日のうちにとることがポイント。アトピーによる容貌の悩み、人間関係や仕事の悩みなどは、さらに症状の悪化につながるので、気分転換できる場所を確保しておくなど常に精神的に余裕のある状態をつくっておくことが大切だ。




食べ物制限は子どもの成長を考えて

食物がアレルギーに関係している場合は、その食物を制限したほうが効果的だが、子どもの場合は、極度に制限することで成長に影響を与えかねない。食物と症状の悪化とが綿密に関係していることが明確でない場合は、安易に食物制限するのは好ましくない。かかりつけの医師とよく相談しよう。
親が神経質になると、かえって子どもの負担になり、精神的ストレスから、症状を悪化させるケースも少なくない。





日本医療企画「ホスピタウン」より



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