アトピーは、少し前までは子どもの病気とされていた。1歳前後がピークで、学童になるくらいから減り、思春期までには多くが治っていたからだ。
ところが、1980年代になって急激にアトピーが増え出した。愛知県で行われたある調査によると、81年に2.8%だった4〜15歳児のアトピーの罹患率は、92年には6.5%となり、10年間で2倍強も増えている。その結果、大人のアトピーも増加。子どもの時の皮膚炎が治らずにそのまま移行したり、重症化するのではなく、大人になって新たに発症する例も少なくない。なかでも最近では、20歳代半ばに罹患するケースも増えている。今のところ、はっきりとした原因は不明だが、皮膚の機能をつかさどる自律神経が、社会の仕事や人間関係にまつわるストレスなどで乱れることが原因ではないか、という見方もある。
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