いままで、慢性的な腰痛に悩まされ、椅子から立ち上がるときや座るときなど、腰を動かす際には電気が走ったように痛んでいました。病院へ行ったのですが、「腰痛症」と診断され、運動を促されたのですが・・・。運動をすると余計に痛いのですが、本当に運動しても良いのでしょうか?。
(38歳/女性)
A)激しく痛む場合には運動を控えた方がよい。
腰部に痛みが起こるものを総称して腰痛症といいます。腰痛症を起こす原因にはさまざまなものがあり、大きく分類すると、(1)腰椎・骨盤などの骨や関節・椎間板およびこれに関連した筋・筋膜・靭帯などの軟部組織によるもの(整形外科学領域の疾患)、(2)後腹膜や腎臓、尿管や子宮、卵巣などの腹部や骨盤内の内臓の異常によるもの(外科、泌尿器、婦人科領域の疾患)、(3)心因性によるもの(神経料領域の疾患)−などが挙げられます。
腰痛症の原因をはっきり診断するためには、専門家による診断を行い、必要に応じた画像診断(X線、CT、MRI、超音波、シンチグラフィーなど)や臨床検査(尿、血液検査)を受けるべきです。
一般的に整形外科学領域の骨、軟部組織に由来する腰痛症の多くは人の生活活動において負担がかかることが原因となっています。これらの中には腰椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、筋膜性腰痛症などの疾患があります。これらのほかにも外傷や炎症、腫瘍、骨粗軽症などによって起こる腰痛もあります。
このような整形外科学領域の疾患によって起こる腰痛症に対しては、まずは安静を保つことが大切です。徐々に痛みがとれてきて慢性期の腰痛になった場合には日常生活動作や仕事を痛みの状態に応じて調整しながら行います。何もしないで長期間安静にしていると腰部周囲の筋力の低下を招き、逆になかなか痛みが取れなくなることもあります。椅子から立ち上がったり座るときに電気が走ったように痛む場合には、まだ運動を控えて安静にしているのがよいと思います。まずはもう少しはっきりした診断を受けることが大切です。
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