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Q)職場のクーラーのせいで冷房病に悩む。何か良い対策は?

私は元々冷え症です。寒い季節が過ぎ、少し楽になってきたかと思った矢先、職場ではクーラーが入り始め、また辛い季節が来てしまいました。何か良い対策はありませんか?
(27歳/女性)

A)あなたに合った漢方薬で、冷えの治療を

大変つらいようですね。
高温多湿な日本の夏をさわやかに過ごさせてくれるクーラーは、すでにわれわれの生活の一部となっています。近頃では、小学校の教室にクーラーを導入する話題など耳にするほどです。その一方で、冷やし過ぎないクーラーのCMがテレビで流れるなど、クーラーは使い方次第で体にさまざまな悪影響を起こすことも重視されるようになりました。
汗ばむ季節、長時間冷房の中で働く方や、激しい温度差の中を移動する営業職の方などが体調を崩しご相談にお見えになります。
われわれはどの程度の温度差に耐えられるのでしょうか?われわれが急速な温度変化に皮膚表面血管を拡張・収縮させ対応できる限界は6〜7℃です。外気温度との温度差を無視した冷房は、神経痛、腰痛、腹痛などの冷房病を引き起こします。
その対策として、まずお部屋の温度設定を上げてみて下さい。それが無理な場合、クーラーの吹き出し口の方向を変えたりして下さい。膝掛けや靴下も有効ですが、それ以上にお腹を冷やさないため、腹巻きをお奨めします。足先が冷える方は、お湯を入れたペットボトルを足下に置き、その上に足を置いてみてはいかがでしょうか。
それでも効果がない場合、漢方薬をお試し下さい。冷えを治療する漢方薬にはさまざまなものがありますが、私は月経困難症を伴う冷えの方に当帰芍薬散・桂枝茯苦丸、腰から下が冷えてだるさ・重さを伴う方に苓姜求甘湯、腹痛を伴う下痢をする方に附子理中湯、関節炎を伴う方に桂枝加苓求附湯を主に処方しています。しかし、漢方は個人差を重視する医学ですので、あなたに合った漢方薬を選ぶには、是非漢方に明るい医師の診察を受けてみて下さい。




Q)慢性的に腰が痛い。診断名「腰痛症」って何?

いままで、慢性的な腰痛に悩まされ、椅子から立ち上がるときや座るときなど、腰を動かす際には電気が走ったように痛んでいました。病院へ行ったのですが、「腰痛症」と診断され、運動を促されたのですが・・・。運動をすると余計に痛いのですが、本当に運動しても良いのでしょうか?。
(38歳/女性)

A)激しく痛む場合には運動を控えた方がよい。

腰部に痛みが起こるものを総称して腰痛症といいます。腰痛症を起こす原因にはさまざまなものがあり、大きく分類すると、(1)腰椎・骨盤などの骨や関節・椎間板およびこれに関連した筋・筋膜・靭帯などの軟部組織によるもの(整形外科学領域の疾患)、(2)後腹膜や腎臓、尿管や子宮、卵巣などの腹部や骨盤内の内臓の異常によるもの(外科、泌尿器、婦人科領域の疾患)、(3)心因性によるもの(神経料領域の疾患)−などが挙げられます。
腰痛症の原因をはっきり診断するためには、専門家による診断を行い、必要に応じた画像診断(X線、CT、MRI、超音波、シンチグラフィーなど)や臨床検査(尿、血液検査)を受けるべきです。
一般的に整形外科学領域の骨、軟部組織に由来する腰痛症の多くは人の生活活動において負担がかかることが原因となっています。これらの中には腰椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、筋膜性腰痛症などの疾患があります。これらのほかにも外傷や炎症、腫瘍、骨粗軽症などによって起こる腰痛もあります。
このような整形外科学領域の疾患によって起こる腰痛症に対しては、まずは安静を保つことが大切です。徐々に痛みがとれてきて慢性期の腰痛になった場合には日常生活動作や仕事を痛みの状態に応じて調整しながら行います。何もしないで長期間安静にしていると腰部周囲の筋力の低下を招き、逆になかなか痛みが取れなくなることもあります。椅子から立ち上がったり座るときに電気が走ったように痛む場合には、まだ運動を控えて安静にしているのがよいと思います。まずはもう少しはっきりした診断を受けることが大切です。




日本医療企画「ホスピタウン」より



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