HOME 特集 今月の健康 予防医学 温泉で健康



海へ、山へ、ふるさとへ・・・日常から解放され、心身ともにリラックス、リフレッシュできる夏休み。でも、ほんの少しの心のゆるみを見透かすように、思いがけない事故が忍びよります。日常とは違うからこそ、余計にうろたえてしまいがちな事故発生に備えて、”これだけは知っておきたい”救急マニュアルをお届けします。



適切な手当てをするためのファーストエイド(応急措置)知識習得

事故や急病人が出たときにあわててしまうと、日頃は簡単なことでもできなくなってしまいます。
いったい、今起こっている状況にどう対処すればよいのか。
できるだけ的確な処置が行えるよう、ファーストエイドの知識を身につけておきましょう。

ファーストエイドって何?

ファーーストエイドとは、医療機関に受診したときに最善の治療が施されるように、あるいは回復の妨げにならないように行う事故現場などでの応急措置のことです。たとえば、救急車を要請した場合、現場に到着するまでに平均5.5分かかっています。これが海や山間部になれば、当然もっと時間がかかります。事故が発生してから救急車が到着し、緊急措置が行われるまでの時間は「空白の時間」といわれています。この時間に適切な処置がなされるか否かで、以後の治療におおいに違いが生じ、被害者のダメージを最小限にくい止めることができる場合もあるのです。
したがって、ファーストエイドが的確に行われるかどうかが、緊急医療システムのなかでは非常に重要です。

ファーストエイドのマニュアル

では、ファーストエイドにおいて、具体的に何をどうすればよいのでしょうか。実際、ファーストエイドで何を行えばよいのかについては、オールマイティな解答はありません。
しかし、起きた現象に対し、対応できるガイドラインが設定されています。その流れさえ知っておけば、たとえ専門的な医療知識がなくても、誰にでも実行できます。そして、ファーストエイドには優先順位があり、それを把握していれば、さほど大きな間違いを侵すことなく行うことが可能です。




ファーストエイドの実践

1.Danger
危険を察知せよ!

自分が危険にならないかを確認することが第一ステップ。ただ救助に突進するのではなく、自分の安全を確保してから、被害者にアプローチ。2次災害を予防する意味でも大事です。

2.Response
被害者の意識をチェック

被害者の肩あたりにひざまずいて、顔を近づけ、肩に手を当てて声をかけます。このときの意識レベルは(1)応答が正常にできる状態、(2)混乱状態、(3)眠っているようだが、声には反応する状態、(4)声には反応しないが、痛みには反応する、(5)声にも傷みにも反応しない昏睡状態、の5つの状態に分類されます。
意識がはっきりしていても出血が多かったり、けががひどい場合には救急車を要請。意識があってもなくても、積極的に声をかけながら、精神的に励ましていくことが必要です。

3.Breath
呼吸の確保

胸の動き、息の音、吐く息などにより、呼吸の状態を調べます。自力呼吸をしている場合には仰向けに寝かせ、楽に呼吸ができるようにします。呼吸をしていない場合は、人工呼吸を行います。人工呼吸はマウスツーマウスが一般的。2回連続して相手の胸がふくらむ程度に息を吹き込みます。

4.Circulation
心臓マッサージ

2回人工呼吸を行ったら、脈拍を確かめ、頚動脈や手先、皮膚の色などで生命兆候を確認します。確認できない場合には、胸部圧迫(心臓マッサージ)を行って強制的に血液を循環させ、脳に酸素を送り込みます。人工呼吸2回と心臓マッサージ15回をマンセットとして救急車が来るまで行います。

5.Bleeding
出血の有無を確認

意識レベルをチェックしたときに答えられるようならば、3、4、を飛ばして出血の有無の確認をします。出血部位が確認できたら、すぐに止血に入ります。止血にはいくつかの方法がありますが、出血箇所にガーゼなどを当てて直接圧迫するか、近くの動脈も同時に圧迫する方法をとります。

6.Shock
ショック状態の管理

体の各臓器に供給される酸素量が不足することによって起こるさまざまな症状をショック状態といいます。適切なケアを行うために、体温を逃さないように温め、楽になる姿勢をとらせて、安全で快適な場所に移動します。





日本医療企画「ホスピタウン」より



このホームページのご意見・ご感想はこちらまでinfo@e.oisyasan.ne.jp

Copyright (C) 2000 e.oisyasan.ne.jp. All rights reserved