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Q)時差ぼけ解消法を知りたい。海外出張で睡魔に襲われる

貿易関係の仕事をしています。そのため海外出張が多いのですが、その度に時差ぼけに悩まされています。飛行機の中でも、仕事の書類に目を通している時間が多く、あまり寝ないことも原因かもしれませんが、出張先の会議中でも睡魔と闘うのに必死です。到着したら眠くなくても夜は眠るように努めているのですが。時差ぼけを少しでも解消する方法はないものでしょうか?
(35歳/男性)

A)睡眠の質を良くしうまく覚醒させること

ご質問の方がよく行かれる海外出張の場所や日数などの詳細が分かりませんので、一般的なアドバイスになってしまいますが、時差ぼけとは簡単に言えば睡眠覚醒のリズムのずれです。従って、睡眠覚醒のリズムをいかにうまくずらせるかが対策になってきます。とは言っても、生まれてから何十年も作ってきた日本時間のリズムを今日はこう、明日はこうというように、短時間にそう簡単には変えられません。ですから多少とも変えられたら上々、と考えるのがまず基本です。
さて睡眠、覚醒のリズムを作っているのは脳です。以前私どもで行った、気功などのリラクゼーションの生理的な実験では、リラックスしているとからだのリズムが正常に整いやすいという結果が出たことがあります。睡眠をとるか、あるいはリラックスしているときに、脳は一番うまくからだのリズムを調整してくれるのだと思います。
従って、いかに睡眠の質を良くするかということが第一です。機内では、仕事の準備の書類には目をつぶっていただいて(どちらにしろ時差ぼけで眠くては会議になりませんから)とにかく眠ることです。機内食は軽めにし、コーヒーなどのカフェイン飲料は断って、ウーロン茶やジュースにしてください。映画を見るのはやめて、もし寝つけないようでしたら、静かな音楽を聴いているだけでもいいのです。とにかく脳を休めること。
次に、いかに脳をうまく覚醒させるかです。最近の研究では、脳に「これからは覚醒の時間なんだ」ということを教え込むために、目が覚めたら太陽の光か強めの照明に15〜20分ほど当たるのが良いようです。その後全身の筋肉を使った運動で、からだの代謝を上げるようにすると完璧です。




Q)娘が結膜炎にかかってしまった。経緯は?放置しておくとどうなる?

小学4年生の娘は水泳が大好き。この夏も連日のようにプールに通っていたのですが、おかげで目が真っ赤になり、目やにも出るようになってしまいました。急いで眼科にかけこんだところ案の定、結膜炎との診断を受けました。ごく一般に浸透している病気だと思うんですけれど、そもそもどういった経緯でかかるのでしょうか。また放置しておくとどのようになってしまうのでしょうか。
(45歳/女性)

A)充血が起こりうる高い頻度で見られる結膜炎は3種類あげられる

ここでは目が赤い状態、つまり充血の起こりうる結膜炎につき、高い頻度で見られるものについて説明します。

アレルギー性結膜炎:花粉、ハウスダスト、機械的な刺激によって起こり、痒みや異物感といった症状が出ます。目をこすり過ぎて結膜が充血したり、急にゼリー状になること(結膜浮腫)もあります。この場合治すというより、症状を軽くするために抗アレルギー薬の点眼治療を行います。
放置しておいた場合、痒くてこすってしまうと、中々症状がとれることはありません。我慢するよりも、点眼薬を使った方が賢明です。

細菌性結膜炎:埃の多い仕事をした後や、目を汚い手でこすった後、1〜2日経ってから目ヤニがまつげに付いて、目が開かなくなるぐらい出ます。長く出る時は抗生物質の点眼治療を行います。

流行性角結膜炎(はやり目):ウイルスによって生じる角結膜炎で、非常に伝染力が強い病気です。原囚となるウイルスと接触し、その手で目を触った時に発症します。通常は両眼に発症し、最初の1週間ぐらいは充血、涙、目ヤニ、異物感といった症状が強く、次第に落ち着いてきますが、完全に治るまでは2〜3週間かかります。放置していても治りますが、目薬で症状は軽くなります。




Q)海に潜るとキーンと音が鳴り、耳がよく聞こえなくなる

スキューバダイビングの資格を取るべく頑張っている毎日です。ところで、海に潜ると耳の中にキーンと音が鳴り、耳がよく聞こえなくなります。これと似たことは、エレベーターや飛行機、新幹線などの密閉された移動空間でよく起こりますし、誰もが体験していることですね。こういった現象は、そもそもどういうメカニズムで発生するものなのでしょうか。
(24歳/女性)

A)内外の気圧の動きが鼓膜への圧迫となって働く

通常、鼓膜の内外の気圧はほぼ同じで、鼓膜は音の振動を細かくキャッチして耳の中に伝えてやることができます。この内外の気圧の変動は、のどの奥と耳の内側をつなぐ耳管という管によって調節されています。つまり、耳管が時おり開閉するために気圧調整がうまくなされているのです。
外界の気圧は、高い山に登ったり、飛行機に乗ったり、スキューバダイビングで海に深く潜ったりすると変化します。これにつれて鼓膜にかかる気圧も変動します。前2者では外界の気圧が鼓膜内部の気圧に比べて低くなり、後者では外圧が内圧に比べて高くなります。
こうした内外の気圧の動きは、鼓膜への圧迫となって働き、気圧の調節なしには鼓膜は十分に動けません。ご質問のように耳鳴りがしたり音が聞こえにくくなるのは、こんな経緯からです。
幸い、耳管に炎症が存在しない状態では、やがて耳管が開閉し、鼓膜内側の気圧は外圧と等しくなります。けれどもたまたま風邪気昧だったりして耳管が腫れていると、多少の気圧の変動では耳管は開きません。耳のつまった感じが、なかなか改善しないことになります。
そればかりでなく、そのような内外の気圧の格差が大きすぎる状況が続くと、鼓膜が強く圧迫され、緊張するためにひどい耳痛が生じます。この際には鼓膜は真っ赤に腫れ上がり、急性中耳炎と同じ様相を呈します。





日本医療企画「ホスピタウン」より



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